フロー合成システム
FlowSyn シリーズ
拡張性と操作性に優れ
全自動運転にも対応するフロー合成システム
FlowSynの基本ユニット(本体)は、主に送液ポンプx2基、コイルリアクターモジュール、カラムリアクターモジュールから成り、すべてが1つのコンパクトな筐体に納められています。
さらに、様々なオプションユニットを追加することで、使用目的と反応の種類に合わせたシステムに拡張することができます。
フラクションコレクターを接続したFlowSyn Multi-Xは、最大10条件の反応条件検討を自動化することができます。
フラクションコレクターに加えてオートサンプラーを接続したFlowSyn Auto-LFⅡは、任意の2試液の組み合わせによる最大100条件の反応を自動化し、小規模なライブラリー合成に対応します。
システムは、マニュアル制御だけでなく自動運転にも対応しています。試薬量や反応時間等のパラメーターを入力することでポンプ流速の設定とバルブ操作を自動的に行います。本体に備え付けられたディスプレイと4つのボタンにより、簡単で直感的に装置の操作、実験のセットアップが可能です。
FlowSyn 基本ユニット(本体)
FlowSyn 本体は下記のユニットが一体型となって構成されています。
反応試薬ボトルと溶媒は装置の上に置きます。装置は防爆のためにPlexiglass(強化アクリル樹脂ガラス)のカバーがついています。
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- コイルリアクター用ヒーターモジュール
- カラムリアクター用ヒーターモジュール
- コントロールインターフェース
- インレットセレクションバルブ x2基
- プライムバルブ
- サンプルループインジェクションバルブ(6方バルブ)
- ミキサーブロック
- バックプレッシャーレギュレーター
- アウトレットバルブ
3種類の流路から選択
FlowSyn 本体は下表の3種類の基本流路からご選択いただけます。流路の材質により最大加圧度と最大温度、および溶媒耐性が異なります。
FlowSyn PTFE | FlowSyn Steel | FlowSyn Hastelloy | |
流路材質 | すべてPTFE |
SUS 316L (低圧部にPTFE使用) |
Hastelloy HC-276 (低圧部にPTFE使用) |
最大圧力 | 40 bar(600 psi) | 100 bar (1400 psi) | 100 bar (1400 psi) |
最高温度(コイル/カラム) | +150℃ / +150℃ | +260℃ / +150℃ | +260℃ / +150℃ |
溶媒耐性 | Excellent | Very Good | Excellent |
それぞれのモデルの具体的な溶媒に対する耐性や希望される用途に対する推奨モデル等はお問い合わせください。
スケールアップ対応モデル FlowSyn Maxi
高流速ポンプを備えることで、より多くの合成量に対応できるモデルです(基本構成はFlowSynと同様)。1日あたり数kgの生成物を得ることを可能にします(反応による)。
合成の生産性を向上することができます。
- 送液ポンプ流速:0.1~50 mL/min(ポンプ2基 合計流速:~100 mL/min)
- 標準モデルの流路材質:Steel(SUS 316L + PTFE)
- 標準モデルの最大圧力:100 bar(1400 psi)
- 標準モデルの最高温度:+260℃(コイル)/ +150℃(カラム)
※ 特注でPTFEあるいはHastelloyにも対応できます。
構成ユニット
FlowSyn 本体を構成する各部位についてご紹介します。
送液ポンプ |
コイルリアクター用 ヒーターモジュール |
カラムリアクター用 ヒーターモジュール |
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フロー合成用に化学耐性を高めたダブルプランジャータイプの送液ポンプです。
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Uniqsis社製コイルリアクターを搭載可能なヒーターモジュールです。
サイドのノブによりリアクターブロックを開閉して、リアクターの着け外しを容易にし、加熱効率が最大化するように密着させます。 |
カラム(写真左)を取り付けられるヒーターモジュールです。
アダプターを交換することにより、ガラス製スタティックミキサー(写真右)を取り付けることができます。 モジュール背面には、ヒートエクスチェンジャーとして0.6mL容量のチューブが取り付けてあります。反応前のプレヒートや反応後の冷却用途に使用します。 |
インレット セレクションバルブ |
プライムバルブ |
サンプルループ インジェクションバルブ |
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流路入口側に取り付けられているシステムソルベント(溶媒)/反応試薬を切り替えるバルブです。 マニュアル操作での切り替え、もしくは自動モードでは使用する試薬量、流速により自動的にバルブの切り替えを行います。 バルブ出口はポンプにつながっています。 |
ポンプ下流にはプライムバルブが取り付けられており、実験開始前にポンプのプライミングを実施したり、運転中の気泡によるポンプの送液不良を解消したりできます。 プライムバルブの背面には圧力センサーが配置されていて、ポンプの状態をモニタリングしています。 |
ポンプの下流にはサンプルループインジェクションバルブ(6方バルブ)があり、任意の容量のサンプルループを取り付けることが可能です。 小容量の貴重なサンプルも無駄にすることなく実験に供することが可能になります。 また、ポンプにダメージを与ええる可能性のある苛烈な試薬/溶媒を使用する場合は、サンプルループを用いることでポンプ内にその試薬/溶媒を通すことなく反応を行うことが可能になります。 |
ミキサーブロック |
バックプレッシャーレギュレーター (BPR) |
アウトレットバルブ |
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ポンプA、ポンプBでそれぞれ送液された試薬は、FlowSyn本体中央付近に取り付けられたアロー型のミキサーで効率よくミキシングされます。 ミキサー背面には圧力センサーがあり、システム全体の圧力をモニター、圧力異常を検知すると自動的にポンプとヒーターを停止します。 |
流路出口手前にはバックプレッシャーレギュレーター(BPR)が配置されています。 BPRホルダー(写真左)の中には色別に背圧が規定されたカートリッジ(写真右)が入っており、カートリッジを変更することで流路内に任意の背圧を負荷することができます。 PTFE+Hastelloyから構成される化学耐性の高いカートリッジもご用意しています。 |
流路出口にあるアウトレットバルブにより、流出液をCollectとWasteに分別します。 装置の洗浄や平衡化、運転開始から反応液の流出まではWasteへ、反応液が流出するタイミングでCollectへバルブを切り替えることで効率よく反応液を回収します。 |
装置のコントロール
FlowSynは装置前面のコントロールパネルで各種の設定と装置制御を行います。
4つのボタンのみで、マニュアルでの操作、自動運転設定ができます。Multi-Xでは、こちらのインターフェースから最大10条件の自動実験が制御可能です。
FlowSyn本体に接続した追加ポンプx2基、リアクターモジュールやチラーもこちらで制御することができます(マニュアルモードのみ)。
※ ログデータの取得はPCソフトウェア(オプション)が必要です。
FlowSynの安全対策
- 流路とパーツのすべてが強化アクリルのカバーで覆われています。カバーが外れるとアラームが鳴ります。
- 流路からのリークあるいは流路の閉塞が起きると自動でシャットダウンします。
- 圧力と温度は設定したリアクター材質に応じて、限界以上に上がらないようにソフトウェアが自動設定します。
- 安定した確実なチューブ接続が反応中の液の噴出を防ぎます。
FlowSyn Multi-X
反応条件の検討に
FlowSyn Multi-X(Multi-experiment package)は、FlowSyn 本体の下流にフラクションコレクターを追加したシステムです。
フロー生成物の分取をソフトウェアの設定により自動で行うことができます。
バッチ合成からはじめてフロー合成に移行する際の反応条件検討に最適なセットアップです。
オプション追加で、2液反応だけでなく、より複雑な反応の条件検討も行うことができます。
フラクションコレクターは下記の2種よりお選びいただけます。
FC203B:ラック1個設置
FC204:ラック4個設置
目的に応じた分取方法の選択
FlowSyn Multi-Xでは、分取の目的により2つの方法を選択することができます。
分画(Fractionate)
1つの反応条件の生成物を複数のフラクションに分けて回収します。
1つの条件内におけるフロー生成物の反応プロファイル(反応カーブ)を解析することで、サンプルの流出タイミングを知ったり、定常状態(Steady State)における生成物の確認を行うことができます。
最適化(Optimize)
反応温度、滞留時間、化学量比などの条件を連続で変えながらフロー反応を行い、1つ条件の反応を1つの容器(20mL あるいは 40mL バイアル)に回収します。最大10条件の検討が可能です。
定常状態にあるサンプル数滴のみを中央の小さいバイアル(2ml LC バイアル)に別個に回収し、実験中に分析することができます。
反応条件と分取の設定手順
FlowSyn Multi-Xの実験設定は本体の操作パネルで簡単に行うことができます。
Step 1
Auto Experimentよりテンプレートとなる実験条件を設定します。
Step 2
サンプル回収方法を設定します。
Step 3
個々の反応条件を入力します。
オプションソフトウェアでさらに拡張
PC用データロギングソフトウェアを追加すると、条件検討に使用した反応条件や実験データのロギングが可能です。
また、PC画面に反応の進行に伴う温度や圧力等の変化がリアルタイムに表示されます。
FlowControl ソフトウェアはデータログだけでなく、装置の制御も可能な一歩進んだPC用オプションソフトウェアです。
反応条件や実験データのロギングだけでなく、条件検討に使用した実験条件をリロードしてそのまま使用したり、修正して使用することができるので便利です。
また、追加ポンプや外付けの冷却反応モジュールなどもコントロールできるので、さらに複雑な反応の条件検討も行うことができるようになります。
右図は、FlowSyn Multi-Xにバイナリーポンプを追加して、4液反応が可能な4ポンプシステムを組み上げた例です。
FlowSyn Auto-LFⅡ
小スケールライブラリー合成や誘導体合成に
FlowSyn Auto-LF IIは、FlowSyn 本体にオートサンプラーとフラクションコレクターを組み合わせたシステムです。
オートサンプラー(Atuo Loop Filling System)により、FlowSyn 本体のサンプルループに反応液を充填します。
2種類の試液を任意に組み合わせてフロー反応を行い、それぞれをフラクションコレクターで別々のバイアルに回収します。
フラクションコレクターは、FC203B(1ラック)、FC204(4ラック)から選択可能で、オプションのPCソフトウェアFlowControlとの組み合わせにより最大100条件の自動化反応を実現します。
小規模ライブラリの構築、誘導体化、条件最適化、試薬/触媒スクリーニングの自動化などに威力を発揮します。
さらに、インラインのUV検出器であるFlow-UV(オプション)と組み合わせると、分取のトリガーを設定して実験を進めることができます。サンプルをもらさず、もしくは定常状態にある反応ピークのみを効率的に回収することができます。
システム構成セットアップ画面
条件入力テーブル
フラクション回収+UVデータ
4液送液構成へのシステムアップ
FlowControl ソフトウェアでは、 FlowSyn Auto-LF IIに加えて、バイナリーポンプモジュールと組み合わせることで、最大4液送液系のシステムを構成、制御することができます。
オートサンプラーにより、各ポンプモジュール(FlowSyn x 2基、バイナリーポンプ x 2基)の下流に配置されるサンプルループに任意の試液を自動で充填します。
さらに、最大4基のリアクターモジュールの制御が可能になり、反応系に合わせて流路を組み替えることで、収束的な反応((A+B)+(C+D))や多段反応や反応のクエンチ((A+B)+C+D)などにも対応します。
オプションとアクセサリー
UNIQSIS社は非常に多くのフローケミストリー反応モジュールを製造しています。
これらのモジュール製品をFlowSynに接続することで、FlowSynの反応の幅や機能性を容易に拡張していただくことができます。
例)FlowSynにPolar Bear Plus 冷却反応ユニットを追加
例)FlowSyn MaxiにHotCoilを2基追加
FlowSyn 本体仕様
FlowSyn | FlowSyn Maxi | |
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ポンプ流速 |
0.01~10 mL/min (2基合計:~20 mL/min) |
0.1~50 mL/min (2基合計:~100mL/min) |
耐圧 | PTFE流路:40 bar ステンレス流路:100 bar (オプション:200 bar) Hastelloy流路:100 bar (オプション:200 bar) | |
温度範囲 | コイルヒーター:室温~+260℃(オプション:300℃) カラムヒーター:室温~+150℃ | |
流路材質 | PTFE/ステンレス/Hastelloy(選択) ※ ステンレス/Hastelloyの低圧部はPTFE使用 |
ステンレス(標準) ※ PTFE、Hastelloyは特注対応 |
サイズ | 幅360 x 奥行540 x 高さ480 mm | |
重量 | 32 kg | 34 kg |
電源 | 100V、50/60Hz、1000 W | |
使用環境 | 5~40℃、相対湿度 80%以下(室温 31℃以下の場合)、海抜 2000m以下 |
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