カートリッジを用いた初めての自動有機合成装置
Synple 2
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いつもの合成反応をもっとシンプルに
有機合成の概念を変える新しいタイプの自動有機合成装置の登場です
Synple 2は、カートリッジ(カプセル)を使用する新たなタイプの自動有機合成装置です。
反応の種類ごとに用意された試薬充填済のカートリッジを用いて、代表的な有機合成反応を全自動で行うことができます。
試薬の秤量と小分けは不要です。さらに合成後の反応後処理や目的物の精製まで自動で行います。
運転中に反応の状況を確認したり温度調整をする必要はなく、反応が終わると自動停止するので、終夜運転も可能です。
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製造元のSynple Chem社は、スイスのチューリッヒに本社を構える有機合成関連製品の製造会社です。スイス工科大学チューリッヒ校のBode研究室にて開発された技術を基に、2016年に設立されました。設立間もないベンチャー企業でありながら、複数のファウンダーより多くの資金調達に成功しています。成長が非常に期待されている新興企業の一つです。
Synple 2の特徴と利点
フラスコ合成との違い
Synple 2は、これまでのフラスコによるバッチ合成と比べて下記のようなメリットを持ちます。
- 反応試薬を調整する必要なし。
- 合成中は反応を監視したり温度・攪拌を調整する必要なし(手放しで自動反応)
- 反応後のワークアップ(不純物除去)まで自動で実施
Synple 2による自動有機合成をより理解するために、下の動画をご覧ください(Synple 2 vs フラスコ合成)
こんなお仕事に最適です
Synple 2は、日々の合成ワークをより効率的かつ生産的に行いたい創薬化学(特にリード最適化)のお仕事、あるいは新たな機能性化合物の開発にぴったりの装置です。
- 非常に簡単な方法で新規化合物が合成できます。
- 有害物質への暴露を最小限にして安全に実験できます。
- 合成化学を探索研究のツールとしてお使いいただけます。
- 最小限の時間で反応の最適化が行えます。
- 簡単に多くの新規物質を作り出せるので、探索研究が加速します。
Synple 2の使用方法と動作原理
使用方法
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Synple 2は、有機合成において最も簡単に(シンプルに)使用できる自動合成装置です。
特別なトレーニングやプログラム、技術的なスキルも要りません。
装置習熟に時間を必要としないため、時間と労力を個々の作業により集中することができます。
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使用手順
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使用方法を動画で見る
動作の仕組み
Synple 2は、2基のシリンジポンプ、2基のロータリーバルブ、カートリッジホルダーから構成されています。出発原料となるサンプルは、サンプルバイアルにセットします。運転中の個々の反応は、カートリッジ、およびサンプルバイアル内で行われます。
出発原料の調製(溶解など)の後、装置はサンプル溶液を吸い上げて、最初のカートリッジカラムに送液します。一定時間経過後、反応溶液は第2、第3のカラムへ順々に送られ、合成反応、反応後処理、精製の工程を自動的に行います。
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反応カートリッジには、4つの試薬充填済のカラムが取り付けられています。カートリッジの種類により、充填されている内容物は異なりますが、反応や後処理、精製に必要な試薬、触媒、スカベンジャー等が含まれています。1反応に1カートリッジを使用します。
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※ 反応カートリッジはシングルユースです。
対応できる反応
2022年10月現在でSynple 2が行うことができる反応は下記です。Synple Chem社では対応反応を精力的に開発しています。最新の情報は弊社までお問い合わせください。
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- N-Heterocycle formation(N-ヘテロ環化)
- Reductive Amination(還元的アミノ化)
- Mitsunobu(光延反応)
- Deoxyfluorination(フッ素化)
- Azide formation(アジド化)
- Amide formation(アミド化)
- Suzuki Coupling(鈴木-宮浦カップリング)
- Boc Protection/Deprotection(Boc基 保護/脱保護)
- Silyl Deprotection(シリル基 脱保護)
- Cbz protection(Cbz基 保護)
- Nosyl protection(Nosyl基 保護)
- PROTAC (PROTAC合成)
- Biotinylation(ビオチン化)
製品仕様
品名 | Synple 2 |
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装置サイズ | 幅260 x 奥行490 x 高さ360 mm |
装置重量 | 約10 kg |
電源容量 | 100 V, 約 4 A, 50/60 Hz |
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