タンパク質結晶化条件最適化用 分注ステーション
Scorpion Screen Builder

X線構造解析法でタンパク質の立体構造を決定するには、タンパク質ごとに異なる結晶化条件を探し出し、良質な結晶を得ることが大切です。

タンパク質結晶化条件の探索は、一般的に初期スクリーニングと最適化スクリーニングから成ります。

最適化スクリーニングでは、 微量分注ロボットなどを活用した初期スクリーニングによって得られたヒット条件（結晶化試薬の処方）をもとに、さらに詳細に結晶化試薬組成の最適化を行います。

Hudson Lab Automation社（旧 Art Robbins Instruments社）のScorpion Screen Builderは、この目的にぴったりの1チャンネル自動高速ピペッターです。

タンパク質結晶化実験のために作られた使いやすいソフトウェアで結晶化試薬の処方（組成）をフレキシブルにデザインし、手がかかる分注作業を自動で短時間に行うことができます。

• 複雑な分注を誰でも簡単に実施できるインテリジェントなソフトウェア
• プレート内での濃度勾配・pH勾配・試薬添加などを簡単にデザイン
• マルチリンク式シリンジによる高速分注（駆動スピード 2 m/秒）
• 6か所のデッキポジションに様々なタイプの容器を設置して、分注ソースあるいは分注先として使用可能（15/50 mL 遠心チューブ、1.5/2.0 mL マイクロチューブ、ディープ/シャローウェルプレート、結晶化プレートなど）
• 80% グリセロール、PEG、DMSO、アルコールなど様々な粘性の溶液を分注可能
• 優れた分注正確性と分注精度

任意の組成の結晶化試薬の調製

PEG・硫酸アンモニウム・有機溶媒等の沈殿化剤、塩溶液、緩衝液、添加剤などのストック試薬を96ディープウェルプレートに任意の組み合わせと量で分注し、結晶化条件最適化のための結晶化試薬を調合します。

洗練されたソフトウェアを用いて、プレート内での塩濃度グラジエントやpHグラジエントをマウスドラッグによる簡単な操作でデザインします。

各ウェルのレシピはソフトウェア上で視覚的に確認することができます。

ソフトウェアが各ストック試薬の各ウェルへの分注量を自動計算して、分注を行います。

最適化プレートの作製

最適化スクリーンのための結晶化プレートを作製します。

結晶化プレートのリザーバーウェルに任意の組成の結晶化試薬を分注します。96ウェルへの分注を約15分、24ウェルへの分注を約9分で完了します。

Intelli-Plateをはじめ各社の結晶化プレートを使用可能で、24ウェル結晶化プレートのサンプルウェルへの結晶化試薬とタンパク質の分注まで1台で行っていただけます。

シンプルな4コーナーグリッドから複雑なNコーナーグリッドまで、グリッドスクリーン法による結晶化条件の最適化にも対応します。

結晶化試薬のリアレイ

初期スクリーニングあるいは最適化スクリーニング用に15mLチューブで販売されている市販の結晶化条件スクリーニングキットから96ウェルプレートに試薬を移してリフォーマットを行います。

複数のスクリーニングキットからオリジナルの組み合わせのスクリーニングキットを96ウェルフォーマットで作製することができます。

よく使用される市販スクリーニングキットの多くが既にソフトウェアに登録されているため、最低限の労力で分注を始めていただけます。

96ディープウェルプレート1枚への分注を約25分で完了します。