抗HCP抗体カバー率 解析ソフトウェア
SpotMap
バイオ医薬品のHCP解析前の抗HCP抗体カバー率の評価に
抗HCP抗体のカバー率を迅速かつ正確に解析
宿主由来タンパク質(Host Cell Protein; HCP)の解析は、抗体製剤等のバイオ医薬品の特性分析およびQCで求められる大切な評価項目の一つです。
ELISA法を用いたHCP解析では、ELISAに使用する抗HCPポリクローナル抗体のキャラクタリゼーションを行い報告することが求められています。
2DとWestern BlotによるHCPカバー率解析について知る
HCPカバー率解析方法の比較(2D vs 2D-DIGE vs ELISA vs AAE)
SpotMap ソフトウェア
Totallab社のSpotMapは、抗体のHCPカバー率分析を目的とする専用のソフトウェアです。SpotMapを用いることで、二次元電気泳動ゲル画像と二次元ウェスタンブロット画像からの抗HCP抗体カバー率の解析を、迅速かつ高い客観性で進めることが可能になります。
SpotMap:導入実績が証明するその能力と信頼性
SpotMapは既に30社以上のバイオファーマで使用されており、その中には多くの世界的に有名な製薬会社が含まれます。信頼と実績のあるソフトウェアです。
SpotMap:特徴と利点
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- 客観性:どのような基準でスポットの有無を判断したかなどをログとして残すことが可能です。
- 再現性:解析者間あるいは施設間における再現性の高い解析を実現します。
- GMP/GLP対応:21 CFR Part11に対応することができます(オプション)。
SpotMap softwareのカタログをダウンロードする(英語)
カバー率解析に最適化されたワークフロー
抗HCP抗体の宿主由来タンパク質カバー率は、培養上清の二次元電気泳動ゲル画像と、そこから転写して抗HCP抗体を反応させて得た二次元ウェスタンブロット画像を用いて解析を行います。
以前はその画像解析に、二次元電気泳動解析ソフトウェアを用いていましたが、ゲル間の発現比較を目的に作られたソフトウェアは、その解析アルゴリズムやワークフローがカバー率の評価には適さず、解析に時間がかかるばかりか不正確な結果を生み出しがちでした。
SpotMapソフトウェアは、抗HCP抗体カバー率の解析のためにデザインされたワークフローとアルゴリズムで、短時間で正確なカバー率評価を可能にします。
その解析工程はシンプルです。多くのステップが自動化あるいは半自動化されているため、少ない手間で解析を実行することができます。
- Step 1:ゲル画像とウェスタンブロット画像の間でスポット位置の補正(アライメント)を行う(半自動)。
- Step 2:ゲル画像でスポット検出を行う(自動スポット検出+マニュアル編集)。
- Step 3:検出されたスポット枠をブロット画像にコピーする(自動)。
- Step 4:ブロットだけに存在するスポットを追加する(マニュアル)
- Step 5:ゲルに存在しブロットに存在しないスポットを同定する(半自動)。
- Step 6:カバー率が計算されグラフ表示される(自動)。
CBBゲル染色やSYPRO Rubyゲル染色による方法に加えて、「2D-DIBE法」や「Affinity + 2D-DIGE法」にも標準で対応しています。
優れたアライメント機能
ゲル画像とブロット画像では、スポットの出方(サイズ、形状、濃淡)やバックグラウンドが大きく異なります。
そのため、ゲル-ブロット間のスポットの位置合わせ(アライメント)は、ゲル間の位置合わせよりも難しくなる傾向にあります。
SpotMapは精巧なアライメントアルゴリズムを搭載しており、この課題をハイレベルに解決することができます。
さらに、メンブレン上で全タンパク質を検出すした画像ゲル画像とブロット画像の仲介にすることで、アライメントの精度をさらに高めるという方法もございます(例:2D-DIBE法)。
正確なスポット検出
2Dディファレンシャル解析と異なり、抗HCP抗体カバー率の分析は定性的な解析ですが、スポットの検出は正確に行う必要があります。
SpotMapの3Dスポットビューはスポット検出の正確性を確認するのに優れたツールです。
また、スポット枠の分割・統合・追加・削除は解析工程のいつでも行うことが可能です。
視覚的に確認
SpotMapは、アライメントの成否、スポット検出、スポットの有無などを視覚的に確認するためのツールが豊富です。
ゲル画像とブロット画像のそれぞれにおいて、ヒートマップや疑似カラー画像、あるいは3Dスポットビューを駆使することで、目で見て確認を行い、必要に応じて修正を加えることができます。
特にヒートマップはスポットの存在を判断し、適切なスポットフィルタリング閾値を設定するにあたって有効なツールとなっています。
優れた客観性と再現性
抗HCP抗体のカバレッジ分析において、再現性の高い結果を得るために大切なことは何でしょうか。
画像解析は常に視覚に依存する解析法です。その中で再現性をできる限り確保するには、画像を得るまでの実験手法の詳細をSOP(Sandard Operating Procedure)として定め、常に同じ方法で画像データを得ることが大切です。
次に大切なのは画像解析においていかに再現性と客観性の高い解析を行うかになります。ここは解析の過程をいかに自動化できるかが大切になります。
SpotMapは、視覚に頼らざるを得ない中でも、できるかぎり多くの解析ステップに自動化のアルゴリズムを採用し、皆様の解析をヘルプしています。
またSpotMapでは、ブロット画像(あるいはゲル画像)におけるスポットの有無は、マニュアルでひとつひとつのスポットを見ながら個別に判断するのではなく、様々なクライテリアを用いてフィルタリングすることができます(例:スポット体積、スポットの高さなど)。
使用した閾値はすべてログとして記録され、解析レポートに記載されます。そのため、どのような基準を用いてスポットの有無を判断したのか客観的な数字を残すことが可能になります。
多彩な機能
SpotMapは、製薬会社の研究者とのコラボレーションの元、改良を重ねて作られてきたソフトウェアです。最新バージョンのソフトウェアでは、抗HCP抗体の特性と品質を様々な角度から精度高く評価するための各種の機能を備えています。
Product Spotsのマスキング
多くの場合、サンプルには宿主細胞由来のタンパク質(不純物)だけでなく、製品由来のスポット(Product Spots)も含まれます。SpotMapは、このProduct Spotをマスクすることでカバレッジ解析の対象から外す機能を持ちます。
スポット量によるカバー率分析
抗HCP抗体のカバレッジは通常スポット数をベースに算出します。Spotmapは、それに加えて、スポットボリュームによるカバレッジ算出機能を備えています。この機能により、抗HCP抗体の反応性(Reactivity)の評価と比較を行うことができるようになります。
4分割機能
抗HCP抗体のカバレッジと反応性はタンパク質の等電点(PI)あるいは分子量(MW)により異なることが多くあります。SpotMapは、ゲルを4分割してそれぞれの領域におけるカバレッジをレポートする機能を備えています。
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