本格派マイクロアレイスキャナー
InnoScan シリーズ
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マイクロアレイ解析に求められる性能をハイレベルで実現
蛍光マイクロアレイ法は、次世代シーケンスが一般的となった今でも、タンパク質バイオマーカーの探索や検証、シグナル伝達解析、ワクチン研究とエピトープマッピング、あるいは遺伝子診断の用途に有用な研究手法です。
InnoScanシリーズは、高品質な画像取得から解析まで、今日行われている様々なマイクロアレイ実験を高いレベルで行うことができる高性能のマイクロアレイスキャナーです。使用されるアレイのスポットサイズ、プローブ波長、求めるスループットに合わせて、複数のモデルからご選択いただけます。
特長と利点
➊ 高精細&高品質な画像を取得
スライドガラス全域でクリアなスポット画像
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InnoScanマイクロアレイスキャナーは、光学系に共焦点リアルタイムオートフォーカス方式を採用しています。
共焦点光学系は狭い焦点深度でシグナルノイズ比の高いクリアな画像を取得することを可能にします。一方で、スライドの表面には目に見えない微妙な歪みや傾斜があるため、ピントの合う深さが浅い共焦点方式だけでは、スライド全面にわたってオンフォーカスされた画像を得るのが困難です。
InnoScanマイクロアレイスキャナーは、リアルタイムオートフォーカスによりこの問題を解決しています。リアルタイムオートフォーカスは、スライド表面の歪みや傾斜に合わせて自動的に焦点を調整しながら画像を取得します。
共焦点方式とリアルタイムオートフォーカスの組み合わせにより、スライドガラスの全域にわたってS/N比の高い高品質な画像を得ることが可能になります。
❷ 広いダイナミックレンジ
低強度シグナルと高強度シグナルを同時スキャン
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InnoScanマイクロアレイスキャナーは、XDR(Extended Dynamic Range)モードでのスキャンが可能です。XDRモードでは6桁以上の広いダイナミックレンジを確保できます。そのため、蛍光シグナル強度が高いスポットをサチュレーションさせることなく、シグナル強度の弱いスポットまで同時に検出が可能です。
抗体アレイでは発現量が高いタンパク質と低いタンパク質をスキャン条件を変えずに1枚の画像で解析可能です。逆相プロテインアレイでは、発現量が高いサンプルと低いサンプルをスキャン条件を変えずに1枚の画像で解析できるメリットがあります。
❸ 高速2波長同時スキャン
実験の効率を向上
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InnoScanマイクロアレイスキャナーは、2波長のスキャンを同時に行います。そのため1波長ずつ走査するタイプのスキャナーに比べて、スキャン時間の短縮が可能です。
スライド1枚あたりの画像取得時間は、ピクセルサイズ10μmで3.5分、1μmで10.5分です(スライド全域)。この時間で2ターゲットを同時にスキャンしていただけます。
❹ 逆相プロテインアレイに最適
メンブレンスライドから低バックグラウンド画像を取得
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逆相プロテインアレイでは、多くの場合、ニトロセルロースメンブレンスライドに血清や細胞/組織ライセートをスポットします。しかしメンブレンは自家蛍光を持つため、可視蛍光波長(青・緑・赤)によるスキャンではバックグラウンドが高く十分なS/N比を確保することができません。
InnoScanシリーズのInnoScan 710-IRはこの問題を解決するために開発されたマイクロアレイスキャナーです。近赤外蛍光波長レーザー(670 nmと785 nm)により励起するので、メンブレンスライドのバックグランドを抑えて高いS/N比のスポット画像を得ることができます。
アプリケーション
抗体アレイ、ペプチドアレイ、サイトカインアレイから、逆相プロテインアレイ(RPPA)、DNAアレイ、グリカンアレイ(糖鎖アレイ)など、スライドガラスベースで行う様々なマイクロアレイ・アプリケーションが可能です。
対応スライド
通常サイズのスライドガラスに対応しています。
対応サイズ:25-26 x 75-76 mm2(厚さ: 0.9 - 1.2 mm)
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アプリケーション Pick-Up!
RayBiotech 抗体アレイ(国内販売:フナコシ株式会社)![]() RayBiotech社の抗体アレイは、非常に多くの検出因子に対応しており、シグナル伝達経路や各研究テーマの関連因子を集めた、様々な抗体アレイがラインナップされています。 少ない試料で一度に多くの因子を解析できるので、創薬研究などでのスクリーニングに最適です。 重要なサイトカインシグナル関連因子や疾病のメカニズム研究、バイオマーカーの探索にも有用です。 InnoScanシリーズは、ガラススライドタイプのサイトカイン抗体アレイ G-Series、 L-Series、 Quantibodyの解析に推奨されています。 ※ 化学発光検出のメンブレンタイプのアレイには対応しておりません。 |
豊富な採用論文
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InnoScanシリーズは、2008年の販売開始以来、世界中の研究者に様々なアレイアプリケーションで使用されています。
2023年現在、600報以上の学術論文で採用されています。
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モデル比較
InnoScanシリーズには、1枚ずつマイクロアレイスライドをスキャンするシングルスライド・モデルと、最大24枚のスライドを連続して自動スキャンできるオートローダーモデルがございます。
シングルスライド・モデル
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スライドを1枚ずつスキャンするタイプのアレイスキャナーです。
一度に実験するスライド枚数が少なく導入コストを抑えたい方にぴったりです。
最大解像度の違い、対応波長の違いにより4モデルがラインナップされています。
通常のプロテインアレイやDNAアレイには710、逆相プロテインアレイには710-InfraRed、高密度タイリングアレイには910あるいは1100がお奨めです。
シングルスライド・モデル | ||||
![]() InnoScan 710 |
![]() InnoScan 710 InfraRed |
![]() InnoScan 910 |
![]() InnoScan 1100 | |
最大解像度 | 3 μm/pixel | 3 μm/pixel | 1 μm/pixel | 0.5 μm/pixel |
励起波長 |
532 nm 635 nm |
670 nm 785 nm |
532 nm 635 nm |
488 nm 532 nm 635 nm |
スライド/バッチ | 1枚 | 1枚 | 1枚 | 1枚 |
推奨用途 |
抗体アレイ ペプチドアレイ グライコアレイ DNAアレイ |
逆相プロテインアレイ | 高密度DNAアレイ | 高密度DNAアレイ |
▶ 機種ごとの代表的な対応蛍光色素は こちらです。
オートローダーモデル
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最大24枚まで自動スキャンが可能なオートローダー付きのアレイスキャナーです。
ハイスループットなアレイ実験を行いたい方にぴったりです。
最大解像度の違い、対応波長の違いにより4モデルがラインナップされています。
通常のプロテインアレイやDNAには710 AL、逆相プロテインアレイには710 InfraRed AL、高密度タイリングアレイには910 ALあるいは1100 ALがお奨めです。
オートローダーモデル | ||||
![]() InnoScan 710 AL |
![]() InnoScan 710 InfraRed AL |
![]() InnoScan 910 AL |
![]() InnoScan 1100 AL | |
最大解像度 | 3 μm/pixel | 3 μm/pixel | 1 μm/pixel | 0.5 μm/pixel |
励起波長 |
532 nm 635 nm |
670 nm 785 nm |
532 nm 635 nm |
488 nm 532 nm 635 nm |
スライド/バッチ | 24枚 | 24枚 | 24枚 | 24枚 |
推奨用途 |
抗体アレイ ペプチドアレイ グライコアレイ DNAアレイ |
逆相プロテインアレイ | 高密度DNAアレイ | 高密度DNAアレイ |
▶ 機種ごとの代表的な対応蛍光色素は こちらです。
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