Gyros Protein Technologies
ペプチド合成試薬
固相合成後のペプチド精製に苦労していませんか?
PurePep EasyClean Purification Kit
固相ペプチド合成では、合成したペプチドはTFAなどの酸で固相樹脂から切断されたのち、目的の配列を持つペプチドをHPLCで精製します。
ペプチド合成では低分子の有機合成と異なり、近接した位置にクロマトピークが多く出現することがあり、経験の浅い実験者にとって、合成後のHPLC精製が実験のボトルネックになることがあります。
あるいは長鎖ペプチドや疎水性ペプチドなどの難合成ペプチドは、目的配列のペプチドと同時に多くの不完全な配列のペプチドが生成され、固相ペプチド合成に慣れた実験者でも精製が困難なことがあります。
PurePep EasyClean Purification Kitは、HPLCを用いないペプチド精製方法です。独自のリンカー分子を用いたキャッチ&リリース法により、6ステップの簡単な実験操作だけで、目的の完全長ペプチドを精製することができます。
96ウェルあるいは48ウェルプレートを用いたハイスループットな精製にも対応しています。
特長と利点
- HPLCを用いず簡単・迅速にペプチドを粗精製
- 精製が困難な長鎖ペプチドや疎水性ペプチドなどに最適
- HPLCの熟練度が低くても簡単に目的ペプチドだけを分取
- 分取精製回数を削減
- スケーラブル:最大100 μmolの合成スケールに対応(Starter キット)
- スループット:48ウェルあるいは96ウェルを1日で処理(High-Throughput キット)
- 溶媒使用量と廃棄物の量を最大75%削減
ウェビナーを視聴する
ペプチド医薬品開発の探索早期フェーズにおけるジレンマ(データ信頼性 vs スピード)を、PurePep EasyClean Purification Kitによってどのように解決できるか、ケーススタディを含めてご紹介しています。
PECテクノロジー
PurePep EasyClean(PEC)テクノロジーは、洗練された”キャッチ & リリース" 法により、従来のペプチド精製法の限界を突破します。
原理
固相合成後の目的ペプチド(完全長のペプチド)は、独自のリンカー分子(PEC-Linker RC+)とカップリングされ、カートリッジに充填されたフィルター素材(アガロース)にoxime ligationを介して強固に共有結合されます。
PEC-Linker RC+はペプチドから還元切断され、弱酸を加えることでペプチド分子を容易に溶出回収することができます。
副産物を生成することなく、完全長のペプチドだけを簡単に単離・回収することができます。
PECテクノロジーを動画で理解する
ワークフロー
簡単な6ステップの実験操作で目的のペプチドだけを精製します。
図1. PEC-Linker RC+を用いたペプチド精製工程のスキーム
- 固相ペプチド合成の最後にPECリンカーを目的配列を持つペプチド鎖のN末端に結合します(完全長配列だけにPECリンカーを選択的に結合させるために、アミノ酸のカップリング反応毎にキャッピングを行います)。
- TFAで固相表面(C末端)から樹脂を切断します。
- ペプチドの沈殿と再溶解を行います。
- カートリッジ(シリンジあるいはディープウェルプレート)に充填された活性担体の表面に、PECリンカーが付いた目的のペプチド鎖(完全長ペプチド)だけを捕捉します(”キャッチ”)。
- 不完全な配列のペプチドや不純物を洗い流します。
-
a) 後工程の脱離反応ためにPECリンカーを還元化します。
b) 弱酸を加えて精製ペプチドを脱離させ、溶出回収します("リリース”)。
実験操作を動画で見る
(PurePep EasyClean Starter キット)
PEC-Linker RC+
PECテクノロジーのキーポイントは、PEC-Linker RC+です。3つのブロックからなるユニークな分子構造により、PEC法をすべてのペプチドの精製にユニバーサルに利用することが可能になります。
図2. PEC-Linker RC+の分子構造
- SPPS樹脂からの酸切断の際にBoc保護基が除去されると、Amono-Oxy機能が活性化され、担体への結合アンカーとして働きます。
- 臭素置換されたpara azido-benzyl carbamate(緑色)は、バッファーのpHに応じて異なる挙動を示し、開裂ユニットとして機能します。アジドをアミンに還元すると、リンカーは開裂しやすくなります。中性pHでは切断は起こらず、還元時に生成した副生成物を洗い流すことができます。最後に、安全解放系を弱酸で処理すると、酸触媒による1,6-脱離反応によってペプチドがリリースされます。
- para-nitrophenol(オレンジ色)は、精確な反応性と優れた保存安定性をもつ理想的な脱離基として機能します。
3種類のキット
PurePep EasyClean キットは、Gyros Protein Technologies社だけでなく全てのペプチド合成装置のワークアップにご使用いただけます。スループットの異なる2種類の精製キットをラインナップしています(Starter KitとHigh-Thoughput Kit)。
Gyros Protein Technologies社のペプチド合成装置では、合成から精製まですべて自動で行うためのAuto Kitもご使用いただけます。
PurePep EasyClean Starter Kit
PECペプチド精製法を初めて使用する方、あるいは1回の合成本数が少ない方に適したキットです。
PECリンカー、活性化フィルター担体がパックされたカートリッジ(シリンジ)、関連消耗品から成り、1キットで8本のペプチドを処理できます。
精製ペプチドの収量は1本あたり最大200 mgです。
ペプチドの合成スケールに合わせて2つのキットからご選択ください。
PurePrep EasyClean Starter Kit | ||
P0020873 | P0020872 | |
合成スケール | 8 x 25 μmol | 8 x 100 μmol |
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PECリンカー | RC+ | |
活性化フィルター材質 |
アガロース 100 (シリンジ8本に充填) |
アガロース 100 (シリンジ8本に充填) |
還元剤 | DTT | |
ブロッキング剤 | L-システイン | |
バッファー | クエン酸/炭酸ナトリウム | |
オプション装置 | 真空マニフォールド “Starter” (P0020920) |
PurePep EasyClean High-Throughput Kit
PECペプチド精製法をハイスループットペプチド合成に利用したい方のためのキットです。
活性化フィルター担体がプレフィルされたディープウェルプレートを用いて精製ペプチドライブラリーをハイスピードに作製することができます。
1ウェルあたり最大40 mgの精製ペプチドを得ることができます。
スループットと合成スケールの異なる2つのキットからご選択ください。
PurePrep EasyClean High-Throughput Kit | ||
P0020875 | P0020876 | |
合成スケール | 96 x 10 μmol | 48 x 20 μmol |
---|---|---|
PECリンカー | RC+ | |
活性化フィルター材質 |
アガロース 100 (96ウェルフィルタープレートに充填) |
アガロース 100 (48ウェルフィルタープレートに充填) |
還元剤 | DTT | |
ブロッキング剤 | L-システイン | |
バッファー | クエン酸/炭酸ナトリウム | |
追加必要試薬/器具 | TFAおよびペプチド回収プレート | |
オプション装置 | 真空マニフォールド “High-throughput” (P0020877) |
PurePep EasyClean Auto Kit
Gyros Protein Technologies社のペプチド合成装置を用いて、ペプチド合成から精製まで自動で行うためのキットです。
HPLCを用いた精製と比較して、ハンズオンタイムを90%、溶媒使用量を90%削減することができます。
100 μmolまでの合成スケールのペプチドを最大6本パラレルで処理することができます。
複雑なペプチド医薬品の合成を行うラボのための究極のソリューションです。
ペプチド合成装置は、Purepep ChorusとSymphony Xに対応します。
PurePrep EasyClean Auto Kit | |
TBD | |
合成スケール | 6 x 100 μmol |
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PECリンカー | RC+ |
活性化フィルター材質 | アガロース 100(シリンジ6本に充填) |
付属消耗品 |
45 mL プラスチック反応ベッセル(6本) ショートガラスチューブ(1本) |
還元剤 | DTT |
ブロッキング剤 | L-システイン |
バッファー | クエン酸/炭酸ナトリウム |
対応装置 | Purepep Chorus / Symphony X |