細胞製剤のスケールアップ培養に最適

水車攪拌式の細胞にやさしいシングルユースバイオリアクター

水車攪拌式バイオリアクター PBSシリーズ

幹細胞や免疫治療細胞の開発と生産に

水車攪拌式のシングルユースバイオリアクター

PBS Biotech社のPBSバイオリアクターは、独自の縦型水車攪拌翼(Vertical-Wheel Impeller)を用いたシングルユースのバイオリアクターです。

低いシェアストレスで細胞の生存率を高く維持しながら高密度に培養が可能で、種培養から生産スケールまで拡大培養を容易に行うことができます。

間葉系幹細胞(MSC)やヒトiPS細胞(hiPSC)などの幹細胞、あるいは免疫治療細胞の培養に特におすすめです。

細胞治療薬の基礎研究、プロセス開発、生産まで幅広いスケールでご活用いただけます。

60%,37%

アプリケーションハイライト

PBSバイオリアクターを用いた代表的なアプリケーションをご紹介します。

ヒトiPS細胞の
リニアなスケールアップ
Linear+scale-up+of+hiPSC+cell+lines+using+Vertical-Wheel+Bioreactors

ダウンロードはこちら

間葉系幹細胞の培養と
スケールアップ
image_pbs-cell-therapy-poster-11

ダウンロードはこちら

NK細胞製剤の
スケールアップ培養
nk_exp_app_note

ダウンロードはこちら

細胞製剤の培養に理想的な環境を提供

細胞治療薬の開発において前臨床試験から臨床試験に進み、最終的に商業生産まで行うには、細胞の品質を維持しながら、培養スケールを拡大していくことが求められます。

ユニークな攪拌方式(水車攪拌方式)を採用するPBS バイオリアクターはこのニーズをハイレベルで満たします。

研究段階での培養からPBS バイオリアクターを使用することで、将来的なスムーズなスケールアップに繋げることが可能です。

低い細胞剪断力

水車式攪拌はエネルギー散逸率(EDR)が低いため、緩やかなスピードでも均一に攪拌することができます。そのため細胞に対するシェアストレスを低く保つことができます。

詳しく見る

スケーラブル

同じ攪拌方式で60mLから80Lまでリニアにスケールアップ可能です。小スケールで最適化したプロセスパラメーターを大スケールに移しても容易に再現できるため拡大培養に適します。

詳しく見る

均一な細胞凝集塊

エネルギー散逸率(EDR)を均一に保つことができるため、細胞凝集塊のサイズを均一にすることができます。また攪拌速度による細胞塊サイズのコントロールも可能です。

詳しく見る

◆ 水車型攪拌翼による低い細胞剪断力

Vertical-wheel-logo-resized

PBSバイオリアクターでは、Vertical Wheel Impellarと呼ばれる水車型の攪拌翼により細胞の攪拌を行いながら培養を行います。この攪拌方式は次のメリットがございます。

  • 消泡剤や剪断保護剤を使わずに低い剪断力(低いシェアストレス)で細胞にやさしい培養が可能
  • 剪断感受性の高い細胞凝集塊や接着依存性細胞のマイクロキャリア上での培養に最適
  • 培養器全体を迅速に攪拌し、均一な環境を提供
Vertical Wheel Technology
Vertical-Wheel

水車型攪拌翼と培養器のU字底の隙間に強いフローが形成され、容器内を素早く均一に攪拌します。

攪拌領域の有効体積が大きいため、乱流エネルギー散逸率(EDR)が低く、穏やかな混合が可能です。

攪拌翼の回転は、攪拌ホイールと装置本体の間のマグネットドライブにより行います。少ない電力消費で効率的に攪拌が可能なように設計されています。

下の動画はリアクターに入れたフェノール液が培養器内で攪拌されている様子を示しています。大容量のリアクターでも容器内が迅速に均一になることがわかります。

◆ 細胞凝集塊のサイズコントロール

水車型攪拌バイオリアクターによる培養は、シェアストレスが小さく細胞にやさしい培養ができるだけでなく、培養容器内で細胞にかかるシェアストレスも均一です。

そのため細胞塊を作る細胞の培養において凝集塊のサイズを均一にできるというメリットもございます。

それだけでなく、攪拌速度を調整することで、細胞塊のサイズをコントロールすることも可能になります。

aggregation-size-comparison
60%,37%

図は、ヒトiPS細胞の培養において、水車攪拌式のPBSバイオリアクターと従来の水平攪拌翼を用いたバイオリアクターで凝集塊のサイズを比較した画像です。

PBSバイオリアクターでは、攪拌速度によらず均一なサイズの小さな細胞塊が得られています。

一方、従来の攪拌方式では、ミキシングが十分でないため、細胞塊のサイズが不均一で、そのサイズも比較的大きく、細胞を健常な状態に維持できていないことが示唆されます。

Comparison of cell aggregates-p-800
60%,37%

また、その細胞塊のサイズ分布は、PBSバイオリアクターでは、どの攪拌速度においても、培養期間にわたって一定に保たれます。

一方で、従来の水平攪拌翼によるバイオリアクターでは、細胞塊のサイズ分布が培養が進むにつれて変化しています。

aggregate_size_distribution_over_time
60%,37%

アプリケーションノートを見る

マイクロキャリアを用いた培養に最適

足場依存的に増殖する接着細胞のスケールアップには、マイクロキャリアを用いた培養が効率的です。

マイクロキャリアに接着させて培養を行うことで、培養面積を格段に増やし、培養体積当たりの細胞数を稼ぐことが可能になります。

PBSバイオリアクターは、このマイクロキャリア培養にも適しています。

緩やかな攪拌が行われるため、従来のバイオリアクターを用いた時よりも、マイクロキャリアへの細胞接着と細胞増殖の改善を期待できます。

stained-cells-shot-for-technology
60%,37%

◆ 同じ攪拌方式でスムーズにスケールアップ

水車型攪拌方式を用いるPBSバイオリアクターでは、同じ攪拌方式で60mLから80Lまでスケールアップすることができます。ワーキングセルバンクに始まり、生産スケールまでスムーズな拡大培養が可能です。

細胞治療薬の研究を始める方は、まずはラボサイズのPBS MINIでの培養から始めることで、将来の応用に活かすのが容易になります。

scale-up
培養スケールの変更に伴う攪拌均一性

PBSバイオリアクターは、攪拌速度が関わらずエネルギー散逸率(EDR)を一定に保つことができます。これは培養スケールが変わっても再現されるため、スケールアップとスケールダウンを容易に行うことができます。特に細胞塊を作る細胞の拡大培養に重要です。

PBS-Mini (0.1 L ベッセル)

63a99a26ecd826662be38e3d_Demonstration of consistent energy dissipation 1

PBS-Mini (0.5 L ベッセル)

63a99a332eee22030e5e20bd_Demonstration of consistent energy dissipation 2-p-500

PBS-3 (3 L ベッセル)

63a99a47ecd82621c4e390a0_Demonstration of consistent energy dissipation 3

PBS-15 (15 L バッグ)

63a99a53c753bd86ab4ca789_Demonstration of consistent energy dissipation 4

オリジナル論文を見る

培養スケールの変化に伴う細胞増殖の再現性

下図は、0.5L(PBS Mini)から80L(PBS 80)までの各スケールの培養での、細胞密度と細胞増殖速度の比較です。比較したすべてのリアクターサイズで、均一な細胞密度(青)と細胞増殖速度(赤)が得られていることがわかります。

・細胞:ヒト間葉系幹細胞
・培養法:コラーゲンコートによるマイクロキャリア培養
・攪拌速度:ミニマムに設定

scale-comparability-transparent

研究発表ポスターを見る

レギュレーション(GxP)対応

PBS-3(3L モデル)、PBS-15(15L モデル)、PBS-80(80L モデル)はレギュレーション環境下での使用に対応しています。

21 CFR Part11 対応ソフトウェアとIQ/OQドキュメントおよびサービスをオプションで提供することが可能です。

詳細の内容は弊社までお問い合わせください。

製品仕様

各機種の仕様の詳細は下の表をご覧ください。PBS 3とPBS 15にはpHセンサー/DOセンサーを洗って再利用するモデルと、シングルユース(ディスポーサブル)のセンサーを使用するモデルがございます。

  PBS Mini PBS 3 MAG PBS 15 MAG PBS 80 MAG
 
pbs-mini
pbs-3
pbs-15
pbs-80
攪拌方式 水車型攪拌翼(マグネットドライブ)
容量 60-100 mL
 300-500 mL
1.8-3.0 L 9-15 L 45-80 L
制御可能項目 攪拌速度 撹拌速度、温度、pH、pO2
通気方法 フィルターキャップ 上面通気(オプションでスパージング可)
攪拌速度 5-100 rpm 5-50 rpm 2-34 rpm
ガスコントロール マスフローセンサー(空気、N2, O2, CO2)
温度制御 室温 +5℃ ~ 40 ℃(± 0.2 ℃)
DO制御 2-side PID コントロール(N2, O2
排気 0.22 μm フィルター
キャップ
加温オーブン付き0.2 μm フィルター(結露トラップ付き)
センサー 回転数 回転数、温度、pH、
DO 、重量(液量)
回転数、温度、pH、DO、圧力(液量、内圧)
シングルユース
センサーモデル
あり あり
培養容器材質 ポリカーボネート PVDF
送液ライン材質 シリコン/C-flex
ガスライン材質 シリコン
装置サイズ W13.5 x D18.5 H15.5 cm W38 x D48 x H67 cm W66 x D42 x H83 cm W93 x D63 x H161 cm
装置重量 1.3 kg 36 kg 84 kg 223 kg
設置 卓上 卓上 卓上 床置き自走式
電源 100V、1.5A、50/60Hz 120V、2.5A、50/60Hz 120V、6A、50/60Hz 120V、12A、50/60Hz

製品/シリーズに関するお問い合わせ

製品に関するご質問や技術的なお問い合わせなどはこちらのフォームをご利用ください。

Now Loading...