ハイスループット遠心エバポレーター
HT シリーズ
ハイスループットな高性能遠心エバポレーター
HTシリーズは、創薬化学、天然物化学、分析化学のエキスパートのために開発されたハイスループットな遠心エバポレーターです。
低沸点のジクロロメタンやメタノールから高沸点のDMSOやNMPまで、性質の異なる様々な溶媒を、突沸を防ぎながら、多サンプルを同時に高速処理することができます。
遠心チャンバーとコンデンサーが一体化したコンパクトな機体に、ATS Genevac社ならではの先進技術を結集され、サンプルを保護しながら安心して濃縮乾固を行っていただけます。
「とにかく多くのサンプルを同時に処理したい・・・」 そんな研究者の方のご要望をハイレベルで満たすことができるATS Genevacのハイエンドモデルです。
HTシリーズの特徴と利点
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- ハイパワーランプによるサンプルホルダーへの効率的な加熱で、ハイスピードな濃縮乾固を実現
- 熱電対プローブによりサンプルの乾固を感知して自動で運転をストップし、サンプルへの過加熱を防止
- DMSOなどの高沸点溶媒だけでなく、塩酸まで使用可能な優れた溶媒耐性(耐塩酸仕様)
- 逆相HPLCフラクションをワンステップで凍結乾燥
- 使用溶媒に合わせてプレインストールのメソッドを選択するだけの簡単操作
- アプリケーションに合わせて簡単に新規メソッドの作製が可能
- 高機能な内蔵コンデンサーで溶媒蒸気を効率的に捕集、自動的に排液
- 各サイズの試験管とバイアル、プレート、遠心チューブ、エッペンチューブからフラスコまで、様々な容器を使用可能
様々なメリットをもたらす先進のテクノロジーを結集
突沸と泡立ちを防止 Dri-Pure |
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遠心濃縮機は突沸を防止するように設計された装置ですが、遠心力だけで突沸を抑制するには限界があります。 特に、極端に沸点の低い溶媒(例:DCM)や混合溶媒系(例:水/アセトニトリル)、あるいは天然物サンプルなどは遠心力をかけていても突沸の危険性があります。 SP-Genevac独自の突沸抑制機能Dri-Pureでは、遠心力に加え、運転開始時の圧力を厳密にコントロールすることで、サンプルの突沸や泡立ちを効率的に抑制します。 サンプル間のクロスコンタミネーションとサンプルロスを防ぎ、安全な濃縮を実現します。 |
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精密に温度を制御 SampleGuard |
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熱電対プローブを使用してサンプルホルダー(もしくはサンプル自体)の温度を直接測定します。 測定された温度は1℃刻みで精密にフィードバックされ、ハイパワーランプのON/OFFをコントロールします。 測定温度のフィードバックは、自動停止機能(HeatFlow)にも使用され、濃縮が終わると運転を自動停止します。 |
溶媒の種類に合わせて メソッドを選択 |
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溶媒の種類により、最適な圧力、濃縮時間は異なります。 HTシリーズには予めメソッドがインストールされており、使用する溶媒の種類とアプリケーションに合わせてメソッドを選択するだけで簡単に運転を開始できます。 また、特殊なアプリケーションにはカスタムメソッドを入力することも可能です。 |
耐塩酸仕様 (オプション) |
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塩酸等の強酸で装置が壊れて困ったことはありませんか? HTシリーズの耐塩酸仕様モデルでは、溶媒蒸気が触れる部分に極めて耐性の高い素材(ハステロイ)を使用しているため、他社の耐酸性をうたっている装置よりも、強酸に対してはるかに優れた耐性を持ち、長期間にわたり継続して装置をお使いいただけます。 |
不活性ガスパージシステム (オプション) |
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爆発の危険性のあるジエチルエーテルやペンタンなどには、不活性ガスパージシステムをお使いください。 運転前に装置内を不活性ガスで置換することで庫内の酸素濃度を燃焼範囲以下に抑え、安全に濃縮操作を行うことが可能です。 また、不活性ガスパージオプションは、脂質など酸化の恐れがあるサンプルにも有用です。 |
ワンステップ凍結乾燥機能 |
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逆相HPLCフラクションからワンステップで凍結乾燥を行う機能です。水/アセトニトリル(あるいは水/メタノール)からの凍結乾燥は、最初にアセトニトリル(メタノール)を除去し、そのあとで予備凍結と凍結乾燥を行うという3ステップが必要でした。 このLyoSpeed機能を用いることで、すべての工程をワンステップで手放しで行うことが可能になります。 |
最少のスペースで最大のスループット
最新のHTシリーズ 3iは、遠心チャンバー本体にコンデンサーが内蔵されているため、非常にコンパクトです。
少ない設置スペースで最大限のスループットを得ることが可能です。
HTシリーズ x1台
HTシリーズ x2台を並列に設置
ユーザーフレンドリーな操作性
容易で使いやすいタッチパネル画面
HTシリーズは、本体左手にあるタッチパネルで操作を行います。カラーで見やすく、シンプルで使いやすい画面で直感的に操作を行っていただけます。
運転メソッドの選択や編集、運転中のデータの確認、またサービス機能へのアクセスなど、感度の良いタッチパネルでストレスなく操作できます。
メイン画面
メソッド選択画面
運転中の画面
HTシリーズには13種類の運転メソッドがプレインストールされています。溶媒の種類やアプリケーションに合わせてメソッドを選択するだけで、エキスパートレベルの実験を簡単に始めることができます。
運転メソッドはユーザー様自身で簡単に編集し、オリジナルのカスタムメソッドとして登録できます。
6ポジション 遠心ローター
サンプルをセットする遠心ローターには、6個のサンプルホルダーを搭載することができます。
HT-6にはローター x1段、HT-12にはローター x2段があり、それぞれサンプルホルダーを最大6個、または最大12個載せることができます。
また、ローターはホルダーが載せやすいようにデザインされており、ドアを開くと自動点灯するチャンバー内照明により庫内が見やすくなっています。
HT-6のチャンバー
HT-12のチャンバー
コンパクトで高性能なコンデンサー
最新のHTシリーズ(3i)では、内蔵型のコンデンサー(冷却トラップ)が、遠心チャンバーの下部に配置されています。
コンデンサーの最大冷却温度は‐75℃のため、溶媒蒸気を効率的に捕集できます。
また、自動デフロスト&ドレイン機能(自動解凍&排液機能)を備えており、運転中あるいは運転終了後に自動的にデフロスト&ドレインを行うことで、濃縮工程を最適化し、すぐに次の運転を開始することができます。
日常メンテナンスフリーのオイルフリー真空ポンプ
HTシリーズの真空ポンプには、オイルフリーでありながら0.5mbar以下の高真空まで減圧可能なスクロールポンプが採用されています。
従来のオイルポンプのようなオイル交換等の手間がいらず、メンテナンスで煩わされることがありません。
また、同じオイルフリータイプのダイアフラムポンプよりも高真空が得られるので、DMSOやNMP等の高沸点溶媒の留去も可能です。
突沸防止機能であなたのサンプルを保護
濃縮運転中の溶媒の突沸は、大切なサンプルを失わせる、あるいはサンプル間のコンタミネーションにより分析結果を狂わせる可能性があるため大変に危険です。
水/アセトニトリル、DCM/メタノール、クロロフォルム/メタノールなどいくつかの混合溶媒は頻繁に突沸を引き起こすことが知られています。
また、天然物由来サンプルなども突沸あるいは泡立ちを引き起こしやすい性質をもちます。
遠心エバポレーターはサンプルに遠心力を付加するため、ロータリーエバポレーター等と比べて突沸を起こしにくい装置ですが、これらの溶媒あるいはサンプルでは、それでもなお突沸を経験した方も多いと思います。
HTシリーズはこの問題を解決するためにDri-Pureと呼ばれるテクノロジーを搭載しています。
Dri-Pureでは、運転中に圧力勾配を作ることで、突沸の問題に対処しています。また、混合溶媒では、沸点の低い溶媒が残っている間は沸点の高い溶媒が沸騰しない圧力に制御します。
図(写真)はディープウェルプレートでの実験例です。左がDri-Pureなしの結果、右がDri-Pureありの結果を示します。
HPLCフラクションに便利なワンステップ凍結乾燥機能
逆相HPLCフラクションサンプルの凍結乾燥を行っていませんか?
水/アセトニトリルや水/メタノール等の逆相HPLCフラクションを凍結乾燥する場合、通常は以下のステップで行います。
① アセトニトリルやメタノール等の有機溶媒をとばす。
② 水を凍結する(予備凍結)。
③ 凍結乾燥する。
例えば、ロータリーエバポレーターで有機溶媒をとばし、ドライアイスや液体窒素を用いてサンプルを凍結し、フリーズドライヤーで凍結乾燥を行います。
この工程は、特にサンプル数が多い場合、非常に面倒で時間がかかります。
HTシリーズはすべてのモデルで、上記の工程のすべてを装置内で自動で行うことができます。
逆相HPLCフラクションを‘液体’のまま装置にセットして運転を開始するだけで、ワンステップで、しかも多検体同時に凍結乾燥することが可能です。
このワンステップ凍結乾燥を可能にしているのは、自動デフロスト&ドレイン機能(自動解凍&排液機能)を備えた冷却トラップと高真空が得られる外付けのスクロールポンプです。
HTシリーズでは、下記のStep1~5をプログラムにより全自動で行います。
Step1: 最適な圧力コントロールを行いながら、水を残してアセトニトリルやメタノール等の有機溶媒を除去する。
Step2: 冷却トラップ(コンデンサー)に回収された有機溶媒を自動でデフロスト&ドレインする。
Step3: コンデンサーの温度を下げる
Step4: 装置内をさらに減圧して、水を自発的に凍らせる。
Step5: そのまま高真空を維持して凍結乾燥を行う。
様々なサンプル容器に対応
HTシリーズには、様々な容器に対する100種類以上の豊富なサンプルホルダーがラインナップされています。
試験管・バイアル瓶・遠心チューブ・マイクロチューブ・プレート・小型フラスコなど、様々なサイズのサンプル容器をお使いいただけます。
HT-6は1台につきサンプルホルダーを同時に6個まで、HT-12は1台につき12個まで搭載できます。
製品仕様
HT-6 | HT-12 | |
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遠心チャンバー | ||
最大回転数 | 1415 rpm | |
最大遠心力 | 500 G | |
ドライブシステム | ダイレクトドライブ方式 | |
ホルダー搭載数 | 6 ホルダー | 12 ホルダー |
最大サンプル搭載量 |
6 x 1.5 kg (ホルダー重量含む) |
12 x 1.5 kg (ホルダー重量含む) |
最大インバランス | 80 g | |
加熱方式 | ハイパワーランプ | |
真空システム | ||
真空ポンプ | オイルフリー スクロールポンプ | |
圧力コントロール | プログラムにより自動制御 | |
最大到達真空度 | 0.4 mbar | |
温度コントロール | ||
温度設定範囲 | ランプOFF、0~60℃ | |
温度設定単位 | 1 ℃ | |
温度センサー | 熱電対センサー | |
コンデンサー(Dual Stage Vapor Compressor) | ||
冷却温度 | -75℃ | |
容量 | 7 L(オートドレイン機能あり) | |
使用冷媒 |
Stage 1:R449A Stage 2:R170 | |
冷媒充填量 |
Stage 1:0.32 kg Stage 2:0.041 kg | |
CO2e |
Stage 1:0.5 t Stage 2:<0.001 t | |
サイズと重量 | ||
サイズ |
本体:660 x 710 x 840 mm ポンプ:432 x 282 x 302 mm | |
重量 |
本体:193.3 kg ポンプ:26.2 kg | |
電源 | 単相 230V、30A /50Hz または、単相 208V、30A /60Hz |
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