RASTRUM 3次元培養プラットフォーム
ドロップレット式 3D バイオプリンター

RASTRUM プリンター
スループットの異なる2機種
RASTRUM Allegro システム
RASTRUM Allegro システムは、創薬スクリーニングを行うハイスループットラボあるいはオートメーションラボのために作られたRASTRUM シリーズの上位モデルです。
複雑な3D細胞モデル(あるいは3Dオルガノイド)を、96ウェルあるいは384ウェルプレートに、より短時間でスケーラブルにプリントすることができます。
プレートインキュベーター、プレートハンドラー、分注ロボットとのインテグレーションにも対応し、生産性の高い自動化ワークフローを構築していただけます。
特長と利点

スピード
6分(96ウェルプレート)
9分(384ウェルプレート)

スループット
35枚のプレートを
8時間でプリント

再現性
プレート内もプレート間も
驚異の再現性でプリント

効率性
細胞を無駄にせず
多くのプレートにプリント

スケーラブル
RASTRUM Allegroは、1日に多くの3D培養アッセイプレートを作製することが可能です。
96ウェルプレートと384ウェルプレートともに、1日8時間で35枚以上をプリント可能です(Inert Baseのプリントは事前に行う)。
薬剤の初期スクリーニング等を行うなどスループット性の高さを求めるラボに適した選択肢です。
ワークフローの中で実験者が手作業をしなければいけない回数も最小限です。

12枚の96ウェルプレートにMCF7細胞あるいはHepG2細胞をプリントして、プリント直後にプレート内およびプレート間での均一性をCellTiter-Gloアッセイでテストした結果、どちらも<10% CVの再現性を得られた。MCF7細胞をプリントした12枚の384ウェルプレートを用いたテストでは、抗がん剤(パクリタキセル)に曝露後のCellTiter-Gloアッセイで、プレート内とプレート間ともに<19% CVの均一性を得られた。
高い再現性
多くの薬剤の薬効や毒性を薬剤間で比較するには、ウェル間やプレート間で均一性の高い実験を行うことが大切です。
特にECM等のスキャフォールドを用いた3D培養では、Ultra Low Attachement プレートを用いた浮遊スフェロイド培養と比べて、ウェル間やプレート間で均一に細胞を播くのが困難でした。
RASTRUM シリーズは、96ウェルプレートだけでなく、384ウェルプレートでも非常に再現性の高いアッセイを行うことを可能にします。
また、得られた結果の確からしさを検証するには、バッチ間で実験結果の再現性を得られることが大切です。
RASTRUM シリーズは、化学合成でつくられた細胞外マトリクスを使用することで、マトリゲルのような動物由来の基底膜抽出物におけるロット間差の問題も解消します。

使用する細胞数(Total Cell Input)ごとに作製できるプレート枚数の例を3D培養モデル(Architecture)ごとに示しています(0.5M = 0.5x106 cells )。実際に必要とされる細胞数はウェル内での細胞密度により異なります。
同じ細胞数からより多くのプレートを
RASTRUM Allegroでは、カートリッジ式のプリントヘッドからプレートに直接液滴をプリントします(Direct Loading Fluidics)。
そのため細胞の浪費とデッドボリュームが少なく、同じインプット細胞数からより多くの3D培養アッセイプレートを作製できます。
バイオプシーから採取した初代細胞など希少な細胞を用いた3D培養実験で、細胞の浪費を防いで、より多くの実験を行うことを可能にします。

A549 肺腺がん細胞株、初代正常ヒト肺線維芽細胞(NHLF)、初代ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の共培養。RASTRUMでプリント後に細胞を7日間培養し、PhenoVue Cell Painting Kit(Revvity社)を用いて染色した。細胞核をHoechst(シアン)、アクチンをPhalloidin(イエロー)、細胞膜の糖タンパク質をConcanavalin A(マゼンタ)で染色し、各チャンネルの共焦点イメージングして画像をマージした。
複雑な組織環境を再現
3D培養を行う利点の1つは、生体組織でみられる複雑な疾患微小環境や細胞間コミュニケーションをin vitro実験でより良く再現できることにあります。
がん細胞、がん線維芽細胞、免疫細胞、血管内皮細胞、そして細胞外基質などから成る腫瘍微小環境、神経細胞とグリア細胞から成る中枢神経組織などはその代表的な例です。
RASTRUM シリーズは、1種類の細胞の細胞塊から成る単純な3D培養系だけでなく、複数の細胞から成るより複雑な3D培養系の構築を可能にします。
腫瘍組織から採取した初代細胞やその拡大培養を用いたPatient-Derived Organoids(PDOs)、幹細胞や前駆細胞から分化させた3Dオルガノイド培養も可能です。
同一種の細胞どうし、あるいは異なる細胞どうしの細胞間コミュニケーションの存在下での薬剤に対する細胞応答を知ることが可能です。
RASTRUM システム
RASTRUM システムは、創薬研究における薬効薬理試験や安全性薬理試験、生物医学研究、がん個別化医療研究、オルガノイド研究などを行う多くのラボに適したミドルスループットモデルです。
RASTRUM Allegroと比べて、1日でプリント可能なプレート枚数は劣りますが、RASTRUM Cloud ソフトウェアで用意されたすべての3D培養モデルを利用可能です。
1種類の細胞株を用いた単純な3D培養実験から、複数種類の細胞を用いたより複雑な3D培養実験、あるいは腫瘍オルガノイドや幹細胞からの分化させたオルガノイドなど様々な実験において、アッセイプレートを再現性高く作製することができます。
機種比較
RASTRUM Allegro | RASTRUM | |
---|---|---|
プリントヘッド | カートリッジ式(着脱可能) | 流路ノズル式(固定) |
プリントスピード※1 | 6分 / 96ウェルプレート 9分 / 384ウェルプレート |
10分 / 96ウェルプレート 16分 / 384ウェルプレート |
スループット※2 | > 35枚 / 8時間 | >10枚 / 8時間 |
最少のインプット細胞懸濁液量 | 70 μL | 200 μL |
自動化対応 | 可能 | 不可 |
※1. イニシャライズ時間、Inert Baseのプリント時間、クリーニング時間を除く。
※2. Inert Baseのプリントを前日までに予め行った場合。
製品仕様
RASTRUM Allegro | RASTRUM | |
---|---|---|
プリンティングチャンネル | 8本(4ペア) | |
適合プレート | SBS規格 24, 96, 384 ウェルプレート | |
無菌対策 | ラミナフロー内蔵(HEPA フィルター) | |
アルコール洗浄可能 | ||
本体サイズ | 幅589.5 x 奥行532.2 x 高さ493 mm | 幅482 x 奥行560 x 高さ491 mm |
本体重量 | 50 kg | 50 kg |
付属品 |
デスクトップコンピューター(ソフトウェアインストール済) エアコンプレッサー クリーニングキット | |
必要電源 |
100-240 V、1,500 W、50/60 Hz アース付きコンセント 1系統 | |
使用環境 | 温度 15-35℃、相対湿度 20-90%、標高 0-2,000m、汚染度 PDⅡ | |
保証期間 | 1年間 |
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