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RASTRUM 3次元培養プラットフォーム

ドロップレット式 3D バイオプリンター

RASTRUM 3D培養プラットフォーム

3次元培養やオルガノイドを
創薬研究や疾患医学研究に活用したい方に

複雑性の高い3D培養モデルを再現性高くハイスループットに作製

3D細胞培養あるいはオルガノイド培養は、2D細胞培養と比べて、生体により近い細胞形態、細胞間相互作用、および組織微小環境をin vitroで再現できることから、腫瘍学や脳神経科学などを中心に近年頻繁に用いられています。

創薬研究においては、ヒトの疾患表現型をよりよく反映し、薬剤の薬理作用(あるいは毒性)を確実に評価できる3D細胞培養アッセイ系の構築が期待されています。

しかし実際に3D培養法やオルガノイド培養を創薬スクリーニング(あるいは個別化医療スクリーニング)の現場で用いるには、いくつかの課題を解決する必要がありました。

すなわち、生体組織により近い複雑な3D培養モデルあるいはオルガノイドを、96ウェルプレートや384ウェルプレートに再現性高くかつハイスループットに作製するのは困難でした。

Inventia Life Science 社のRASTRUM プラットフォームは、この課題をハイレベルに解決することが可能です。

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3D培養のフェノタイプスクリーニングへの活用

創薬スクリーニングにおいて、最初に疾患表現型を変化させる化合物を探し出し、あとで標的分子や作用機序(Mechanism of Action, MoA)を同定する方法は、フェノタイプスクリーニング(Phenotypic Screening, 表現型スクリーニング)と呼ばれます。

特定の標的分子に対する結合能(相互作用)を基盤としてスクリーニングを行う標的ベースのスクリーニング(Target-Based Screening)と比べて、新規の作用機序を持つ薬剤が見つかりやすいなどの利点があります。

このフェノタイプスクリーニングでは、疾患の病態をできる限り反映する細胞モデルを使ってスクリーニングを行うことが重要です。3D培養法やオルガノイド培養法は表現型スクリーニングに適したin vitro 疾患モデルを提供できると期待されています。

また、フェノタイプスクリーニングでは、評価系としてハイコンテンツイメージング解析(HCA)が良く使われます。

RASTRUM プラットフォームは、より複雑かつイメージング実験に適した3D培養モデルを再現性高くハイスループットに作製できることから、フェノタイプスクリーニングで活用される事例が増えています。

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RASTRUM 3D培養プラットフォーム

RASTRUM プラットフォームは、3つのコアソリューションを組み合わせることで、創薬研究と疾患医学研究に携わる研究者の皆様に理想的な3次元培養アッセイプレートをご提供いたします。

RASTRUM
プリンター
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RASTRUM
マトリクス
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RASTRUM Cloud
ソフトウェア
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特長と利点

『驚異の再現性』

ウェル間だけでなくプレート間あるいはバッチ間でも、マニュアル法では達成できない極めて低いCV%で3D培養プレートを作製できます。

『調整可能な化学合成マトリクス』

使用する細胞外マトリクスは化学合成でつくられ、ロット間均一性のコントロールに優れます。数百の異なる組成と硬さのマトリクスライブラリーを用意しています( RASTRUM マトリクス)。

『複数のマルチウェルプレートを1日で作製』

1日に最大8-10枚程度の96ウェルあるいは384ウェルプレートを処理することができます。ほしいときに欲しい枚数のプレートを簡単に作製できます。

『高い細胞生存率』

微小液滴をプリンティングする方式を採用しているため、細胞にとって優しい条件で、プリント後も80-90%以上の生存率を維持することができます。

『シンプルな3D培養モデルから複雑なモデルまで』

1種類の細胞の3D培養から共培養まで、シングルマトリクスモデルからマルチマトリクスモデルまで、あるいはトランスウェルモデルまで、様々な3D培養モデルを作成できます。

『多彩なダウンストリームアッセイに対応』

アッセイプレートの評価方法にほとんど制限はありません。マトリゲルなどの生体由来の基底膜マトリクスと異なり、ダウンストリーム解析のための手法構築に時間をかけることなく、様々な種類の実験に活用できます。

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原理とワークフロー

原理

RASTRUM プラットフォームは、インクジェット式のプリンティング技術を用いて、ナノリットルサイズのバイオインクをマルチウェルプレートのそれぞれのウェルに高速に滴下して重層させます。

プレートフォーマットは、一般的な規格の市販24/96/384ウェルプレートに対応しています。

バイオプリンティングされたプレートのそれぞれのウェルに液体培地を入れ、インキュベーターの中で培養を行うことで、3D細胞モデルをウェルのハイドロゲル内で作り、目的のデータを取得するためのアッセイを行います。

➊ バイオプリンティング

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2種類の溶液、PEGベースのバイオインクとペプチド水溶液(アクチベーター)のを用意します(細胞はペプチド水溶液に懸濁します)。

RASTRUM プリンターが、それぞれの溶液をインクジェット方式で同じウェルに連続的に滴下します。

液滴サイズは数十 nLです。1つのウェルに数十~数百の液滴を高速でプリントします。

押出式のバイオプリンターと違って、ノズルが詰まって閉塞する心配がありません。また、細胞が均一に分散された正確なボリュームの微小液滴をすべてのウェルに同じ数でプリントするので、ウェル間とプレート間でバラつきを少なくすることができます。

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❷ ゲル化

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2種類のバイオインクが同じウェル内で接触すると、PEGが架橋され即時にゲル化します。

ゲル化は室温で起こり、マトリゲルのような温度コントロールは必要ありません。またゲル化のための光照射も必要としません。

細胞はこのゲルの中に閉じ込められ、その後の培養ステップで細胞分裂して細胞塊を形成します。

固化したハイドロゲルは数十μmの網目状の間隙を持ち、細胞はその中を自由に移動したり形態変化をしながら3D構造体を作ります。

ゲルの組成と硬さは、生体組織の環境に合わせて、 RASTRUM マトリクス のライブラリーから選択できます。

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❸ アッセイプレート

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プリント後のプレートは、すぐに液体培地を加えて、CO2インキュベーターの中で培養を開始します。

適時顕微鏡観察を行いながら培地を交換し、3D構造体を育て、しかるべきタイミングで薬剤処理などを行います。培地交換と薬剤添加は分注ロボットで行うことも可能です。

細胞の薬剤レスポンスを評価するための生物学的ダウンストリームアッセイは、イメージング実験、細胞障害性試験、発現解析、フローサイトメトリーなどが可能です。

2次元培養で用いられるアッセイのほとんどにシームレスに対応しています。

それぞれの実験のための  ジェネラルプロトコル もご準備しております。

利用可能なアッセイを知る

ワークフロー

RASTRUM Cloud ソフトウェアで、 RASTRUM マトリクスのライブラリーからマトリクスを選択し、3D培養モデルを選んでアッセイプレートのデザインを行うと、自動的に作成された実験プロトコルをPDFファイルとしてダウンロードできます。

実験者は、そのプロトコルに従って、RASTRUMによるプリンティング前の細胞の調製とバイオインクの準備を行います。

RASTRUM Cloud ソフトウェアからエクスポートされるRASTRUM Run FileをRASTRUM オペレーティングソフトウェアにインポートし、ソフトウェアのガイドに従って作業を進めるだけで、簡単にバイオプリンティングを行うことが可能です。

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実験ワークフローを動画でご覧になりたい方は下を視聴してください。拡大ビューすると快適にご視聴いただけます。

ダウンストリームアッセイ

RASTRUM 3D培養プラットフォームで作製した3次元培養マルチウェルプレートは、2D培養プレートと同様に様々なアッセイに供することが可能で、その制限はほとんどありません。

RASTRUM 3Dゲルは自家蛍光がほとんどなく透明性に優れるため、セルペインティングや蛍光免疫染色によるハイコンテンツイメージングや共焦点顕微鏡観察、あるいはライブセルイメージングに適します。細胞内カルシウムのフラックス解析にも対応できます。

もちろん、ATPアッセイあるいはLDHアッセイなどによる細胞障害性試験(細胞毒性試験)、培養上清中のサイトカインなどのELISA等による定量も可能です。

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専用の細胞回収試薬を用いると、ゲルの架橋を酵素消化するきわめて簡単な実験操作で、生きたままの細胞を容易に取り出すことができます。

回収した細胞は、フローサイトメトリーによる細胞生存率解析や細胞死解析などに使用できます。シングルセル解析にも対応できます。もちろん、DNA解析、RNA発現解析、タンパク質発現解析を行うことも可能です。

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アプリケーションエリア

RASTRUMは、腫瘍学、腫瘍免疫学、神経科学、線維症研究、安全性/毒性研究など様々な分野での使用され、すでに成功を収めています。今後もその応用範囲は拡大される予定です。

また、細胞の種類は、細胞株だけでなく初代培養細胞、iPS細胞、前駆細胞など多くのタイプを使用することができます。

3次元培養モデルの作製に成功した臓器あるいは組織の種類も多様で、今後もさらに増えていくことが見込まれます。

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