中-大容量インテリジェント遠心エバポレーター

Rocket Synergy 2

Rocket Synergy2

数百mL以上の検体を複数同時に手放しで濃縮乾固したい?

Rocket Synergy 2は、数十~数百mLのサンプルを複数本同時に処理することができるユニークな遠心エバポレーターです。たとえば、従来のロータリーエバポレーター(あるいは単にエバポレーター)で、下のようなお悩みをお持ちの方に特に最適な装置です。

『ロータリーエバポレーターは1検体ずつしか処理できない』
『ロータリーエバポレーターは突沸が心配なので常に監視が必要』
『一人で複数台のロータリーエバポレーターの面倒をみるのは手がかかる』

Rocket Synergy 2を用いると、「最大400 mL x 6本まで(フラスコ)」あるいは「最大50 mL x 18本まで(ASEチューブなど)」のサンプルを、突沸を防ぎながら自動で(つまり手放しで)処理することができます。また、ローターを交換することで、最大5 Lの大容量サンプルの濃縮乾固にも対応します。

HPLCフラクションの濃縮乾固、質量分析計による環境分析や食品分析の前処理などにおいて、中-大容量の検体を複数本同時かつ迅速に濃縮乾固したい方におススメの遠心エバポレーターです。

Rockety Synergy 2は、特に下記の分野で豊富な使用実績を持ちます。

  • 天然物化学
  • 創薬化学(メジシナルケミストリー)
  • プロセス化学
  • 環境分析
  • 食品分析

独自のインテリジェントなテクノロジーを搭載

~ Rocket Synergy 2の特徴と利点 ~

Rocket Synergy 2には、突沸防止機能や自動停止機能など、遠心エバポレーターの世界トップメーカー ATS Genevac社オリジナルのユニークな機構が搭載されています。低温スチームによるサンプル容器の加熱は、溶媒留去に必要な熱エネルギーを効率的にサンプルに伝え、中-大容量サンプルを短時間で濃縮乾固することを可能にします。

  • ROCKET_SYNERGY_SIDE_LOW_RES-removebg-preview
    独自の突沸防止機能により手放しで運転が可能
  • 自動停止機能で終夜運転でも安全に処理
  • 低温スチームによる効率的な加温で迅速に濃縮乾固
  • ストロボ機能で運転中のサンプルの濃縮過程を観察可能
  • 50 mL x 18本~5 L x1バッチまでの様々なサンプルサイズに対応
  • ASEチューブやASEボトルを直接処理可能
  • 揮発性サンプルの分析前処理に適した乾固防止機能
  • 簡単で便利な使い勝手

❶ 運転中の監視を不要にする独自の突沸防止機能

DriPure

ロータリーエバポレーターでサンプルの突沸に悩まされたことはありませんか?

Rocket Synergy 2は、SP Genevac独自の突沸防止機能Dri-Pureにより、サンプル濃縮乾固の悩みの種である突沸を効果的に防ぐことができます。突沸の起こりやすい溶媒(水/アセトニトリルや水/メタノールなどの混合溶媒系、沸点の低いジクロロメタンなど)、あるいは泡立ちやすい天然物サンプルなどでも突沸を起こすことなく安全に処理を進めることができます。

そのため、装置の傍らで監視をすることなく安心して作業を行うことが可能で、実験者のお仕事の効率を高めていただけます。

❷ 終夜運転を可能にする自動停止機能

サンプルの乾固(あるいは濃縮)を自動で検知できたら?と考えたことはありませんか?

Rocket Synergy 2は、冷却トラップに出入りする冷媒の温度を計測することによりサンプル濃縮の進行を自動でモニターすることができます。

ΔT

循環冷却装置で冷却された冷媒は、冷却トラップ内で溶媒蒸気を冷やして凝縮し、液体として捕集します。一方で、冷媒自体は、溶媒蒸気との熱交換によって温められます。すなわち、冷却トラップの入口における冷媒温度は低く、逆に冷却トラップの出口の冷媒温度はそれよりも高くなります。Rocket Synergy 2の内蔵ソフトウェアはこの温度差(ΔT)をモニタリングします。

溶媒の蒸発が活発な運転初期には、入口と出口の温度差(ΔT)は大きくなり、サンプルの濃縮が進み蒸気の生成が少なくなってくる(終点が近くなる)とΔTの値は小さくなります。Rocket Synergy 2はこのΔT値によりサンプルの乾固を予測し、自動で運転を停止する機能を持ちます。

右図は運転中の実際のディスプレイ表示です。グラフは、縦軸がΔT、横軸が時間です。

❸ 迅速な濃縮乾固(二重構造チャンバーによる効率的な加熱)

大容量サンプルの濃縮乾固は時間がかかります。Rocket Synergy 2では、二重構造チャンバーによるスチーム加熱により、従来の遠心エバポレーターにはない迅速な濃縮乾固を実現しています。

Rocket_Synergy2_cutout

Rocket Synergy 2のサンプルチャンバーは、インナーリッドにより隔てられたインナーチャンバーと、アウターリッドにより隔てられたアウターチャンバーの2つのチャンバーからなる二重構造となっており、それぞれのチャンバーを異なる圧力下に制御することができます。

  • インナーチャンバー:
    サンプルをセットします。サンプルを濃縮・乾固するためにチャンバー内を任意の圧力で制御します。
  • アウターチャンバー:
    蒸留水を入れます。任意の圧力に減圧することで低温のスチーム(蒸気)を生成します。
Rocket_double_chambers

アウターチャンバーで生成された低温のスチームがサンプル容器を温めることで、溶媒の蒸発に必要な熱エネルギーを供給します。スチーム(蒸気)がサンプル容器を直接温めるため熱伝達効率が高く、溶媒の蒸発によってサンプルから奪われる熱(蒸発熱)を効率的に補充します。そのため、従来の遠心エバポレーターよりもはるかに効率的に溶媒の蒸発を促進し、高速でサンプルを濃縮乾固することができます。

サンプル容器表面で結露した蒸気は遠心力によりアウターチャンバー外壁にとばされ、アウターチャンバーのリザーバーへと回収され、再び低温スチームとして再生されます。

❹ ストロボ機能でサンプルを直接観察

Rocker Synergy 2には、運転中のサンプルを直接観察するためのストロボ機能が付いています。

Rocket_Synergy2_ストロボ

通常、遠心エバポレーターでは、運転中は遠心力を付与するためにサンプルローターが回転しており、サンプルを観察することができません。しかしRocket Synergy 2では、ローターの回転に合わせてストロボを点滅させることにより、まるで回転が止まっているかのようにサンプルを直接観察することが可能になります。ストロボノブをまわすことで、任意のポジションのサンプルを観察できます。

この機能により、実際にサンプルを観察しながら希望の濃縮量で運転を停止することが可能になります。

※ストロボは5~30Hzの周期で点滅します。光刺激に弱い方が周囲にいる場合は、使用をお控えください。

カタログをダウンロードする

❺ 幅広いサンプル容量に対応

2種類のローター(フラスコローターとボウルローター)

Rocket Synergy 2では、2種類のサンプルローターを使用可能です。標準で付属するフラスコローターは、6つのポジションにサンプルをセットすることができます(下図左)。6ポジションには種々のサンプルホルダーを使用して様々なサンプル容器をかけることができます。

オプションのボウルローターは、5 L容量のサンプルを入れることのできるボウルタイプのローターです(下図右)。

RK_Roters

入れ替え可能なフラスコローター(左)とボウルローター(右)

機能性に優れた様々なサンプルホルダー

フラスコローターでは、下の6種類のサンプルホルダー(容器)を使用することができます。

高速溶媒抽出装置(ASE)の容器をそのまま使用できるため、環境分析や食品分析などにおける溶媒抽出後の溶媒留去に便利です。

また、SampleGenieタイプは、サンプルをバイアル瓶に直接乾固、あるいは液を残して濃縮することが可能です。そのまま定容して分析に供することができます。

標準タイプ ASE チューブ/ボトル SampleGenie タイプ
RK_standard_flask
RK_ASE_tube_edited
RK_ASE_bottle
RK_SG4
RK_GC_SG2
RK_Flip-Flop_edited
処理容量: ~400 mL/本
搭載本数: 最大 6本
処理容量: ~50 mL/本
搭載本数: 最大 6 x 3本
処理容量: ~250 mL/本
搭載本数: 最大 6本
処理容量: ~250 mL/本
搭載本数: 最大 6本
処理容量: ~350 mL/本
搭載本数: 最大 6本
処理容量: ~50 mL
搭載本数: 最大 6 x 3本

サンプルホルダーと容器の詳細を見る

❻ シンプルな操作性

簡単な作業で運転を開始

RK_sample_setting

    フラスコローターにサンプル容器をセット

ステップ 1
サンプルをバランスよく配置します。
6つのポジションに対称になるようにサンプルをセットしてください。
バランスよくセットできるサンプルの数は、2本、3本、4本、6本です。

RK_plug

   使用しないポジションにはブランキングプラグを

サンプルをセットしないポジションには、必ずブランキングプラグをはめてください。

RK_inner_lid

         インナーリッドを装着

ステップ 2
インナーリッドを閉めてください。

ステップ 3
アウターチャンバーに蒸留水を入れ、アウターリッドを閉めてください。

RK_panel

        運転メソッド選択画面

ステップ 4
メソッドリストより適切な運転メソッドを選択します。

ステップ 5
スタートボタンを押して運転を開始します。
あとは運転終了まで、システムが自動で行ってくれます。

運転メソッドの一覧はこちら

効率的な冷却トラップ 

RK_whole system

冷却循環装置の操作不要で、排液操作も不要

Rocket Synergy 2は、溶媒蒸気を回収するための冷媒を本体の冷却トラップ(コンデンサー)に供給するために、常に循環冷却装置と接続して使用します。

Genevac推奨の循環冷却装置であるJulabo社のFL601は、エバポレーター本体とRS232ケーブルで接続することができます。

Rocket本体で循環冷却装置の温度制御も一括して行うことが可能で、循環冷却装置はスイッチをオンにするだけです。

RK_new condenser

本体の冷却トラップには、自動排液機能が付いており、運転中、もしくは運転終了後に回収された溶媒を自動で排出します(オートドレイン機能)。

沸点の異なる混合溶媒系の場合でも、プレセットされた運転プログラムが運転の途中で低沸点溶媒を先に系外へ自動排出するため、途中でユーザーが介入して冷却トラップの排液作業を行う必要はありません。

日常メンテナンスフリーのオイルフリー真空ポンプ

RK_pump

       本体内蔵のダイヤフラムポンプ

油回転ポンプ(オイルポンプ)は、オイル交換等の日常メンテナンスが頻繁に発生し、修理頻度も多いという問題がありました。

Rocket Synergy 2では、本体内蔵のオイルフリーダイアフラムポンプを採用しています。そのため面倒なオイル交換作業等を行う必要がなく、ポンプトラブルの頻度も減少させることができます。

  • 有機溶媒等の低沸点溶媒、水系溶媒など、沸点160℃(大気圧下)未満の幅広い溶媒に対応
  • 最大到達真空度: 3 mbar

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製品仕様

Rocket Synergy 2
本体
最大回転数 1760 rpm
最大遠心力 700 G
ドライブシステム ダイレクトドライブ方式
最大サンプル搭載量 6 x 450 mL / 5 L(フラスコローター / ボウルローター)
真空システム
真空ポンプ ダイアフラムポンプ
圧力表示 0 ‐ 1200 mbar
圧力制御 自動、3 mbar ~ 大気圧
突沸防止機能 Dri-Pure
到達真空圧力 3 mbar
温度制御とシステムコントロール
温度制御範囲 室温+7 ~ 60 ℃
温度制御精度 ± 1 ℃
温度センサー サーミスタ
温度表示範囲 0℃~60℃
停止方法 自動停止、またはタイマー制御
作業の監視 ストロボ、およびΔT
溶媒適合性
溶媒沸点範囲 40℃ ~ 160 ℃(大気圧下)
対応可能溶媒 アルコール類、DCM、DMF、酢酸エチル、水など
塩酸 不可
ジエチルエーテル 要IGPオプション(フラスコローター使用時のみ可)
装置サイズと重量
サイズ 幅780 x 奥行640 x 高さ782 mm(高さはリッド開放時)
重量 75 kg
必要電源 100 V、50/60 Hz、単相、15 A
循環冷却装置(Genevac推奨品)
型式 FL601(Julabo社製)
冷却能力 700 W at +10℃
流量 1.5~2.5 L/min
サイズ 幅320 x 奥行500 x 高さ600 mm
重量 48 kg
必要電源 230V、50/60Hz、単相、15A

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