NULISA 超高感度イムノアッセイプラットフォーム
ARGO HT システム

体液バイオマーカー測定を新たな地平に導く
新たなイムノアッセイシステムが登場
微量タンパク質をマルチプレックスに超高感度測定
血漿や血清などの体液サンプルからの非侵襲的なバイオマーカー測定(リキッドバイオプシー)は、医療に変革をもたらすことがすでによく知られています。
タンパク質バイオマーカーは、DNAバイオマーカーやmiRNAバイオマーカーと並んで、未だに重要なバイオマーカーモダリティです。
しかし、体液中のタンパク質の濃度ダイナミックレンジは非常の広く、患者血液検体(あるいは患者の可能性のあるヒトの血液検体)から有用な微量タンパク質バイオマーカーを測定するには、これまでにない高いアッセイ感度が求められます。
また、利用できるサンプル量の限られる血漿/血清サンプルから多くのタンパク質のプロファイリングを行うには、少ないサンプル量から多項目同時に測定できる必要があります。
Alamar Biosciences社のNULISA テクノロジーは、バイオマーカー研究者のこのような要望に広く応えることができます。

NULISA プラットフォームの特長と利点
➊ ベストインクラスのアッセイ感度
NULISAは、現在利用可能なイムノアッセイの中で最高の感度を持ち、アトモーラー(fg/mL)のレベルの微量タンパク質を体液サンプルから定量することができます(相対定量あるいは絶対定量)。
❷ 驚異のダイナミックレンジ
NULISAは、低濃度タンパク質だけでなく、体液中に豊富に存在するタンパク質も同時に定量できます。例えば、NULISAseq 神経疾患パネルと免疫学パネルは>12桁のダイナミックレンジを持ちます。
❸ >100sのマルチプレックス測定
NULISAは、シングルプレックス測定から>100アナライトのマルチプレックス測定まで、1つのプラットフォームで柔軟に対応します。1測定に必要なサンプル量はわずか25 μLです(アッセイによる)。
❹ オートメーション
NULISAのために作られたARGO HTシステムが、ほとんどのアッセイ工程を自動化します。そのため、実験間、オペレーター間、施設間で優れた定量再現性を得ることが可能で、確実性の高いデータを得ることができます。
NULISA テクノロジー
NULISA(NUcleic acid Linked Immuno-Sandwich Assay)は、2本鎖オリゴDNA鎖のユニークバーコード配列(Target-Specific Molecular Index; TMI)がコンジュゲートされた2つのモノクローナル抗体でアナライト分子をサンドイッチし、TMIをqPCR法あるいはNGSで読み取ることで定量を行う技術です。
抗体ごとにバーコード配列(TMI配列)を変えることで、サンプル中に存在する様々なアナライトを同時にマルチプレックス測定することができます。
NGSによるシーケンシングは、96ウェルプレートのサンプルをひとつにまとめたプールライブラリーで行いますが、サンプル特異的なオリゴDNA配列(Sample-Specific Molecular Index; SMI)を付与することで、1回のシーケンシングランでサンプルも見分けることができます。

1つのアナライトに反応する2つの抗体は、それぞれがPoly-A Tailあるいはビオチンでラベルされています。
PEA(Proximity Extension Assay)法と異なり、2段階のビーズキャプチャー(dTオリゴプールとストレプトアビジンプール)で、アナライト分子と反応した完全なイムノコンプレックスをだけを捉え、不完全な複合体や夾雑物を洗い流すことで、バックグラウンドシグナルを大幅に低減することができます。
ライゲーションはステップの最後に行われるため、アナライトと反応せずに2つの抗体だけが結合したものを読み取ってしまうこともありません。
そのためPEA法をはるかに凌駕する高いアッセイ感度(S/N比)を得ることに成功しました。

アトモーラー(fg/mL)レベルの測定感度
NULISA法は、体液サンプル中に微量にしか存在しないタンパク質を高感度に定量することを可能にします。
そのアッセイ感度は従来のPEA法を凌駕し、デジタルELISA法やECL法よりも優れます。
例えば、血漿/血清サンプル中の神経疾患バイオマーカー、低濃度のサイトカインやケモカインなどの微量バイオマーカーを正確に定量することができます。
高感度化により、これまで水面下で測定できていなかったタンパク質の発現変動を明らかにし、疾患の診断やリスク評価などをより早期に行うことを可能にします。

比類なきダイナミックレンジ
罹患により変動するバイオマーカー分子は、すべてが低濃度ではなく、比較的高濃度に存在するタンパク質、あるいはCRPのように非常に多量に存在するタンパク質すら含まれる可能性があります。
このようなタンパク質の定量は、従来の超高感度ELISA法では、サンプルを希釈しないと測定ができませんでした。
そのため、マルチプレックス測定において、同じサンプル希釈率で微量タンパク質と高濃度タンパク質を同時に定量することはできませんでした。
NULISA法は、最大> 12 logsの非常に広いダイナミックレンジをもつため、この課題を解決して幅広い濃度のバイオマーカーをマルチプレックス定量することが可能です。

優れた測定再現性
バイオマーカーを最終的に臨床応用するには、測定施設が異なっていても同じ結果を得られることが肝要です。
NULISA法は、ARGO HT システムによりそのアッセイ工程のほとんどを自動で行います。
さらに外部標準タンパク質をスパイクインすることで、ウェル間とプレート間の測定値のテクニカルなバラつきを効果的に補正します。
そのため、実験間だけでなく、測定者間や施設間でも優れた再現性を得ることが可能で、マルチサイトにおける定量再現性を確保し、技術のトランスファーを容易にします。

シングルプレックスからマルチプレックスまで
NULISA法はフレキシブルなため、1つのターゲットタンパク質の絶対定量から、100以上のターゲットタンパク質の相対定量まで、1つのプラットフォームで対応できます。
バイオマーカー開発や創薬の段階、実験目的、対象とするタンパク質の範囲などによって、NULISAseq法とNULISAqpcr法を使い分けていただけます。

NULISA テクノロジーをもっと知ろう
自動化されたワークフロー
NULISA法によるバイオマーカー定量は、ARGO HT システムを用いて行います。
NULISAqpcr アッセイキットによるLow-Plex 測定(2025年4月現在はシングルプレックスまで)は、qPCR法によりリードアウトします。このアッセイでは検量線を用いた絶対定量が可能です。
NULISAseq パネルによるHigh-Plex 測定は、NGSによりリードアウトします。このアッセイでは相対定量パネルと絶対定量パネルの2つがあります。
どちらのアッセイにおいても、そのほとんどのプロセスがARGO HT システムによって自動化されており、ハンズオンタイムはわずか30分程度です。

Low-Plex ワークフロー

High-Plex ワークフロー

※ 次世代シーケンサー(NGS)は、Element Biosciences社の AVITI システム、あるいはIllumina社のNextSeq 550 以上とNovaSeqが対応しています。
ARGO HT システムを動画で見る
アプリケーション
NULISA テクノロジーとARGO HT システムは、神経疾患領域、がん領域、免疫疾患領域をはじめとする多くの疾患分野のタンパク質バイオマーカー研究でご使用いただけます。
NULISAseq マルチプレックスアッセイパネルとNULISAqpcr シングルプレックスアッセイキットは、これからも新たな開発を予定されています。カスタムアッセイの構築にも対応しています。
神経疾患研究

アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)などの神経変性疾患を中心に、タンパク質バイオマーカーを血液サンプルから非侵襲的に高感度定量することで、早期診断による治療介入や疾患修飾薬の効果モニタリングなどを目指すことができます。
また、神経疾患はグリア細胞の活性化などにより神経炎症を伴うことも多く、炎症状態の変化を知ることで病態のより深い解明やマルチバイオマーカー開発につながります。
血液サンプルからのNeurofilament Lightなどの神経バイオマーカー測定は、医薬品の末梢神経毒性を予測する生化学バイオマーカーとして期待され、前臨床から臨床試験まで今後ますます活用されようとしています。
NULISAqpcr pTau 217 アッセイ(絶対定量)
NULISAqpcr NfL アッセイ(絶対定量)
NULISAqPCR GFAP アッセイ(絶対定量)
免疫学 / 腫瘍免疫学 / 感染症研究

チェックポイント阻害剤や多重特異抗体などの抗体医薬品、CAR-T細胞などの免疫細胞製剤は、腫瘍をはじめとする疾患の治療に変革をもたらしています。サイトカインやケモカインをバイオマーカーとして測定することで、薬効をモニタリングし、サイトカインシンドロームなどの免疫毒性の適切なコントロールが可能になることが期待されています。
自己免疫疾患や炎症性疾患では、サイトカイン、ケモカイン、自己抗体などの免疫調節異常や炎症を反映する低濃度バイオマーカーの測定により、個別化治療戦略や薬効モニタリングの途が開けるかもしれません。
ウイルス等の感染症分野では、IFNαやIL-6など重症度と関連するバイオマーカーを測定することで、治療の優先順位を決めることなどが可能になります。
NULISAqpcr IL-1β アッセイ(絶対定量)
独自のバイオマーカーアッセイを構築したい?
実験のセットアップとデータ解析
ARGO HT システムを用いた実験のセットアップは、ローカルネットワークで接続されたPCを通じて、専用のクラウドソフトウェア ARGO Command Center(ACC)で行います。
NULISAqpcr アッセイのqPCRデータは、ACCにアップロードされます。
NULISAseq パネルアッセイのシーケンスデータもACCにアップロードし、NPQ(NULISA Protein Quantitation)データに変換することで、専用クラウドソフトウェア NULISA Analysis Software(NAS)を用いてアドバンスドな解析を簡単に行っていただけます。
※ クラウドソフトウェアの使用には外部へのオンライン接続が必要です。セキュリティ等の詳細についてはご相談ください。
※ 外部インターネットに接続せずに使用する方法もございます。詳細についてはお問い合わせください。
ARGO
Command Center
(ACC)
- 実験のセットアップとサンプルのアノテーション
- ARGO HT ランのマネージメントと遠隔モニタリング
- ユーザーグループ等の設定
- qPCR測定結果の自動QCとデータ解析
- シーケンスデータ(FASTAQ)のノーマライゼーションとNPQデータへの変換
- データエクスポート

NPQ データ = NULISA Protein Quantitation データ
NULISA
Analysis Software
(NAS)
- NPQデータのインポート
- NGSマルチプレックスデータ(NPQデータ)のQC
- 複数のNGSシーケンシングで得られたデータの統合
- NPQデータからの各種の生物統計解析(有意差検定や多変量解析)
- 解析結果のグラフ化によるビジュアライゼーション
- データエクスポート
NAS(NULISA Analysis Software)では、NGSリードアウトによるマルチプレクスデータから様々な生物学的統計解析を行うことができます。
結果はグラフとして視覚化され、プレゼン発表・ポスター発表あるいは論文等にすぐに使用することができます。

- サンプル属性(病態/重症度/薬剤投与/時間/年齢/性別など)の集計
- Detectability(above LLoD)の解析
- プレート内/プレート間CV(変動係数)などのデータバラつき尺度の解析
- ボックスプロット
- ボルケーノプロット
- 主成分分析(PCA)
- 階層的クラスタリング解析(ヒートマップ解析)
- 発現倍率(Fold Change)の解析
- 有意差検定(P-Value解析)
- Benjamini-Hochberg 偽陽性率(FDR)解析
- Bonferroni 補正
など
製品/シリーズに関するお問い合わせ
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