NULISA 超高感度イムノアッセイプラットフォーム

ARGO HT システム

NULISA 超高感度イムノアッセイプラットフォーム

よくあるご質問と回答(FAQ)

NULISA プラットフォームについて、よくあるご質問とその回答をまとめました。

NULISA テクノロジーおよびARGO HT システムのご理解の向上にお役立てください。

NULISA テクノロジー

NULISAアッセイのユニークなところは何ですか?
高感度化できている理由は何ですか?

NULISAアッセイは、アトモーラーレベルの検出下限(LLoD)を達成しており、これは1桁 fg/mLレベルのアナライト濃度を検出できる感度に相当します。
これは独自のバックグラウンド抑制法により実現しています。同一の抗体ペアを用いても、従来のPLA法やELISA法と比べて最大10,000倍の感度向上が可能です。

なぜ測定感度が重要なのですか?

高感度であることで低濃度のタンパク質を確実に検出できます。
微量タンパク質の検出は、健常人や疾患患者におけるベースラインレベルの設定、疾患の早期診断、疾患モニタリング、バイオマーカー探索など、研究および臨床応用において極めて重要です。
また、ギリギリの測定感度を必要としないアナライトでも、感度が高いことで測定制限性に寄与します。
あるいは少ないサンプル量から測定したいときに、サンプルの事前希釈率を高くすることで対応できるようになります。

ダイナミックレンジとは何ですか?

ダイナミックレンジとは、正確かつ精確に定量可能な濃度範囲のことで、定量下限(LLoQ)から定量上限(ULoQ)までを指します。

NULISAアッセイのダイナミックレンジはどの程度ですか?
なぜ幅広いのですか?

NULISAアッセイのダイナミックレンジは、NULISAseq 相対定量法で>12桁、NULISAqpcr 絶対定量法で>7桁です。
これは、独自のバックグラウンド抑制メカニズムによりシグナル/ノイズ比(S/N比)を大幅に向上させていること、また核酸ベースのレポーター分子を使用し、qPCRまたはNGSで読み取っていることで達成されます。

NULISAアッセイの精度(再現性)はどの程度ですか?

アッセイ内精度(intra-assay precision)は、同一アッセイ内で同じサンプルを複数回測定したときのバラつきを示します。
アッセイ間精度(inter-assay precision)は、異なるアッセイ実施日や実施回にわたって同じサンプルを測定した場合のバラつきを示します。
NULISAseqでは、ターゲット全体におけるアッセイ内/アッセイ間のバラつき(%CV)の中央値が15%未満です。
NULISAqpcrでも、アッセイ内/アッセイ間のバラつき%CV)の平均値は15%未満です。
詳細かつ正確な情報については、各アッセイに対応するデータシートをご参照ください。

NULISAqpcr シングルプレックスアッセイ、およびNULISAseq マルチプレックスパネルで、一度に何検体を測定できますか?

NULISAqpcr シングルプレックスアッセイは、1プレートあたり、N=1で最大74検体、N=2で最大37検体です。
NULISAseq マルチプレックスパネルは、1プレートあたり、N=1で最大86検体、N=2で最大43検体です。
ARGO HT システムは、最大3枚のプレートを自動処理できます。

NULISAアッセイに必要な1検体あたりの最少サンプル量(µL)はどのくらいですか?

NULISAqpcr シングルプレックスアッセイの最少サンプル必要量は35 µLです。
NULISAseq マルチプレックスアッセイの最少サンプル必要量は最少25 µLです。
いずれもN=1測定の時の必要量です。

どのようなサンプルタイプを測定できますか?

血漿、血清、脳脊髄液(CSF)のほか、乾燥血液スポット(DBS)、唾液、尿、脳組織、便、涙液、鼻スワブなど、多様なマトリックスで実績があります。
詳細についてはお問い合わせください。

抗体のロット間再現性をどのように保証していますか?

NULISA プラットフォームで使用する抗体の大部分はモノクローナル抗体であり、ハイブリドーマ技術や組換えDNA技術により大量に製造可能です。これにより抗体の一貫性が非常に高く保たれています。
また製造工程では、さまざまな品質管理(QC)基準を確立してロット間再現性を保証しています。

ARGO HT システム

ARGO HTシステムに一度にセットできるラン(Run)の数はいくつですか?

ARGO HTシステムには一度に最大3ランをセット可能で、これらは順次実行されます。
ランの種類はシングルプレックスまたはマルチプレックスアッセイのいずれかを組み合わせることが可能です。

ARGO HTシステムでの1回のランにかかる時間はどれくらいですか?

1ラン(96ウェルプレート1枚)にかかる時間は約8時間です。
NULISApcr アッセイでは、この時間にqPCR測定時間を含みます。
NULISAseqでは、この時間にサンプル調製からプール化されたライブラリーの作成までの全工程が含まれており、NGSシーケンスにすぐに使用できます。

NULISAアッセイを実施するために必要な他の装置はありますか?

一般的なラボにある基本的な装置(プレート遠心機、ピペット、超純水装置など)が必要です。
NULISAseq マルチプレックスアッセイには、DeNovix社の QFX フルオロメーター、あるいはQubitなどの蛍光光度計が必要です。
NULISAqpcr カスタムアッセイ構築には、BSA法に対応できる吸光プレートリーダー(384対応を推奨)やSDS-PAGEによるタンパク質解析が可能な装置/ソフトウェア一式が必要です。

ARGO HT システムの寸法と重量はどのくらいですか?

幅1143 mm x 奥行661mm x 高さ1016mmです。重量は約250kgです。
設置条件の詳細についてはお打ち合わせさせていただきます。

ARGO HTシステムの保証期間は?

ARGO システムには、納入時の動作確認後1年間のサービス保証が付属します。

使用方法やアッセイのトレーニングは有償ですか?

ARGO HT システムに、NULISAseq マルチプレックスアッセイおよびNULISAqpcr シングルプレックスアッセイのトレーニングが1回まで無償で含まれます。
トレーニングに内容の詳細については装置設置前にご相談させていただきます。
カスタムアッセイ構築のトレーニングは有償となります。

ARGO HT のソフトウェアにはどのようなものがありますか?

実験のセットアップ、ログ管理およびデータ管理を行うクラウドベースのソフトウェア「ARGO Command Center(ACC)」と、シーケンスデータの二次解析用クラウドソフトウェア「NULISA Analysis Software(NAS)」があります。
どちらも追加料金なしで提供されます。

GLP環境下での使用に対応していますか?

IQ/OQ サービス、21 CFR Part 11などに対応しています。
詳細については弊社までお問い合わせください。

NULISA アッセイ

NULISAアッセイは相対定量ですか?絶対定量ですか?

qPCRリードアウトによるNULISAqpcr シングルプレックスアッセイは絶対定量です。
NGSリードアウトのによるNULISAseq マルチプレックスパネルは相対定量が多いものの、絶対定量パネルもございます。現在ご利用可能なパネルは下記です。

NULISAseqマルチプレックスパネルのターゲットはどのように選定されていますか?

ターゲットタンパク質は、文献調査と各パネルが対象とする疾患分野の有識研究者の協力により選定されています。

複数のNULISAseqライブラリーをプール化したり、他のタイプのライブラリーと混合して同一レーンでシーケンスすることはできますか?

NULISAseqは96ウェルプレート1枚あたり1レーンでシーケンスを行います。
複数枚のプレートに由来するライブラリーを混合して、同一レーンでシーケンスすることはできません。
また、NULISAseqライブラリーは専用のシーケンスレシピを必要とするため、他の実験のライブラリーと同一レーンまたは同一フローセル内でシーケンスすることはできません。

1ライブラリー(1プレート)あたり、どの程度のシーケンスリードが必要ですか?

NULISAseqプレート1枚あたりの目標シングルエンドリード数は4億リードです。
マッチしないリードをフィルター後、品質管理(QC)をパスするための最低リード数は1億リードです。

必要なシーケンスリードの長さはどのくらいですか?

NULISAseqライブラリーは34 bpのシーケンスを必要とし、Alamar Biosciences社によって提供される専用のシーケンスプロトコルを使用する必要があります。

NULISAseqと互換性のあるNGSプラットフォームは?

Element Biosciences社あるいはIllumina社の次世代シーケンサーに対応しています。

  • Element Biosciences社 AVITI
    AVITI 2x75 sequencing kit cloudbreak FS high output(独立した2つのフローセル)
  • Illumina社 NextSeq 550
    TG NextSeq 500/550 High Output Kit v2.5(75サイクル)
  • Illumina社 NextSeq 1000/2000
    NextSeq 1000/2000 P2 Reagents(100サイクル)
    NextSeq 1000/2000 P2 XLEAP-SBS Reagent Kit(100サイクル) 
  • Illumina社 NovaSeq6000
    NovaSeq SP reagent kit(100サイクル)v1.5
  • Illumina社 NovaSeq X & X Plus
    NovaSeq X Series 1.5B Reagent Kit(100サイクル)
    NovaSeq X Series 10B Reagent Kit(100サイクル)

カスタムのシーケンスプロトコルが必要ですか?

使用するNGSプラットフォームごとに異なるカスタムのNULISAseqシーケンスプロトコルが必要です。

NULISA データ処理と解析

データ解析はどのソフトウェアで行いますか?

NULISAqpcrのqPCRデータは、クラウドベースのソフトウェアであるARGO Command Center (ACC)でデータ閲覧と解析を行います。
NULISAseqのシーケンスデータは、同じくクラウドベースのソフトウェアNULISA Anlysis Software(NAS)で統計解析等を行います。

シーケンスデータの処理はどうしますか?

FASTAQデータをACCクラウドソフトウェアでNPQ値に変換します。
NPQはNULISA Protein Quantitationの略であり、NULISAseq アッセイにおけるAlamar社独自の相対定量単位です。
NPQは、NGSのリード数の内部標準コントロールによるノーマライゼーション、プレート間コントロールサンプルによる補正、データのリスケーリング、log2変換によって得られます。
NPQが1増加することは、目的タンパク質の量が2倍になることを意味します。

外部インターネット(クラウドソフトウェア)に接続しないとデータ解析を行うことはできないのでしょうか?

外部に接続しないでデータ解析を行う方法も提供しています。
NULISAqpcr シングルプレックスデータは、NULISA Results Viewer(NRV)と呼ばれるローカルソフトウェアで閲覧および解析を行うこともできます。
NULISAseq マルチプレックスアッセイのシーケンスデータ(FASTAQデータ)は、NULISA Results Viewer(NRV)でNPQ値に変換して、CSVファイルとしてエクスポート可能です。
Alamar社では、Rプログラミング言語に精通した方向けに、NULISAseqデータの読み込み、書き込み、高度な解析を行うためのRライブラリ「NULISAseqR」を提供しています。

異なるターゲット分子間でNPQ値を比較することはできますか?

異なるタンパク質間でのNPQ値の比較は推奨されません。
同一のタンパク質に対するNPQ値のみが、異なるサンプル間での比較対象となります。

検出率(Detectability)とは何ですか?

検出下限(LLoD)を超える結果を示したサンプルの割合です。

NULISAアッセイにおいてLLoD(検出下限)はどのように算出されますか?

NULISAseq マルチプレックスアッセイでは、LLoDは陰性コントロールのノーマライゼーション後のカウント値の平均に標準偏差の3倍を加えた値として算出されます。
NULISAqpcr シングルプレックスアッセイでは、平均値に標準偏差の2.5倍を加えた値で算出されます。

サンプルタイプが異なると、なぜ検出性に差が出るのですか?

NULISAseqは、血漿、血清、脳脊髄液など、さまざまなサンプルタイプに含まれるタンパク質の測定に使用されます。
サンプルタイプが異なると、由来する組織や細胞の種類も異なるため、特定のタンパク質の量や存在比率に大きな差が生じます。
また、サンプルの品質、前処理、処理工程なども検出性に影響を与える重要な要素です。

その他のご質問

他のイムノアッセイ法とデータの相関はありますか?

いくつかのデータがあり相関性をテストしています。詳細についてはお問い合わせください。

デモンストレーションは可能ですか?

有償のTAP(Technology Access Program)サービスとして承っています。
装置を国内でご覧いただくことも可能です。詳細についてはお問い合わせください。

カスタムアッセイの構築サービスはありますか?

Alamar Biosciences社にてアッセイ構築サービスを提供しています。
詳細についてはお問い合わせください。