Gator BLI ラベルフリー解析システム
バイオレイヤー干渉法による分子間相互作用解析装置
バイオレイヤー干渉法による分子間相互作用解析の
新たな選択肢
バイオレイヤー干渉法(Biolayer Interferometry: BLI)を用いた分子間相互作用解析装置は、これまでその選択肢が限られていました。
Gator Bio社のGator BLI ラベルフリー解析システムは、BLIを知り尽くした経験豊富なスタッフが新たに作成した次世代のBLI解析装置です。
バイオレイヤー干渉法のパイオニアであるForteBio社の創設者Hong Tan氏とその同僚技術者であったRobert Zuk氏により設計され開発されました。
測定感度の改善、非特異吸着の低減、安定したベースラインなど、研究者の皆様がBLI解析に求める要素を次のレベルに引き上げるべく、最新のケミストリーを使用して作られています。
分子間相互作用解析装置のエキスパートからビギナーまですべての方におすすめできるハイレベルかつ使いやすいBLI解析システムです。
バイオレイヤー干渉法(BLI)とは
分子間相互作用解析の中の1つの方法であるバイオレイヤー干渉法(BLI)は、Gator Bio社の共同設立者であるHong Tan氏によって考案されたラベルフリーの生体分子検出法です。
分子間相互作用解析には、よく知られた解析法として表面プラズモン共鳴法(Surface Plasmon Resonance: SPR)がありますが、BLIにはSPRにはない特長があり、高分子医薬品やペプチド医薬品の開発を中心に、SPRと相補的あるいは単独で使われる一般的な研究手法となっています。
BLIの原理
BLIでは、バイオセンサー表面から反射される白色光の干渉パターンを測定することにより、生体分子の相互作用を検出します。
Gator Bio社のバイオセンサーは、直径1mmのガラスファイバーに特許を取得した光学層を組み合わせ、ファイバーの末端の表面にはリガンドを結合させるための特殊なケミストリーが施されています。
バイオセンサーのガラスファイバー内部に白色光を上から照射すると、ファイバー内部にある光学層の内表面とバイオセンサー表面のそれぞれで光の屈折反射が起こります。
バイオセンサーをウェルプレートに入れたサンプル溶液に浸すと、バイオセンサーの表面に生体分子が結合します。すると表面の厚みが変化して、生体分子が結合していないときとは異なる特性の反射光が生じます。
センサー表面からの反射光は、ファイバーの内部の光学層からの反射光との間で干渉を起こします(干渉波)。分子が結合することにより、この干渉波のパターンが変化してスペクトルの波長がシフトします。
この波長シフトは、結合した分子の数と大きさに比例して大きくなります。BLIでは、この波長シフトを分光検出器でリアルタイムにモニターすることで、分子間の会合と解離を高精度に分析し計算します。
BLIでは、少なくないケースで、2段階あるいは3段階で測定を行います。
最初にバイオセンサー表面へのリガンドの結合をモニターします。
次にリガンドに対するアナライトの結合をモニターします。
最後にリガンドとアナライトの解離をモニターします。
このようにして得られる結合解離曲線はセンサーグラムと呼ばれ、ソフトウェアアルゴリズムを用いて、結合速度定数(konあるいはka)、解離速度定数(koffあるいはkd)、平衡解離定数(KD)など各種の数値データを算出します。
BLIの原理について、イメージをつかみたい方は、下の動画をご覧ください。
BLIの特長
BLIでは、バイオセンサーをマイクロウェルプレートに用意したサンプル溶液に浸すことで測定を行います。
SPRと異なりマイクロ流路系を使わないため、目詰まりなどの装置トラブルがありません。そのため流路洗浄等の日常メンテナンスなしで安定的に使用できます。装置の起動と終了も短時間で完了します。
エキスパートの方だけでなく分子間相互作用解析を初めて行う方にも適した実験手法です。
また、SPRよりも同時測定数が多く測定時間が短いため、よりハイスループットな実験が可能です。測定条件の最適化も短時間で終えることができます。ランコストはSPRより安価です。
サンプルタイプは、精製サンプルだけでなく未精製サンプル(培養上清や細胞抽出液などのクルードサンプル)の分析にも適します。DMSO等の溶媒に対しての耐性が高く、溶解性に不安があるサンプルにも対応します。
ラベルフリーのアッセイなので、測定後のサンプルは回収して別の測定に用いることができます。
プレートベース測定
(複雑な流路系を使わない)
精製サンプルにも
未精製サンプルにも
ラベルフリー測定
リアルタイムデータ
創薬研究からタンパク質科学まで
BLIはフレキシビリティに優れた実験方法です。医薬品の探索研究からプロセス開発と製造・品質管理まで、あるいは基礎研究におけるタンパク質・ペプチド分析まで、幅広い分野で様々な用途にご使用いただいています。
>150Daのアナライトの解析に対応し、抗体とペプチド、あるいは低分子化合物の結合解離分析が可能です。
遺伝子治療アデノ随伴ウイルスベクター(AAVベクター)の力価測定と% Full(Empty/Full ウイルス粒子比)の測定、あるいはPEG化脂質ナノ粒子(LNPs)やリポソームの定量など新規性の高いアプリケーションを精力的に開発しています。
アプリケーション
製品ラインナップ
スループットの異なる5機種
Gator BLI 解析システムには、スループット(1回で測定可能なサンプル数や同時測定できるサンプル数)の異なる5モデルがラインナップされています。
創薬のステージや使用目的に応じて適したモデルをご選択いただけます。スループットに優れたモデルは、自動で手放しで測定できるサンプル数が増えるため、研究の効率を向上し生産性を高めていただけます。
機種比較
Gator Pilot |
Gator Prime |
Gator Plus |
Gator Pivot |
Gator Pro | |
同時測定サンプル数 | 4 | 8 | 8 | 8 / 16 | 8 / 16 / 24 / 32 |
---|---|---|---|---|---|
濃度定量における 1ランの最大測定数 |
40 | 168 | 456 | 816 | 1152 |
サンプルプレート フォーマット |
96ウェル | 96ウェル | 96/384ウェル | 96/384ウェル | 96/384ウェル |
サンプルプレート 搭載可能枚数 |
1 | 1 | 1 | 2 | 3 |
データ取得速度 | 2, 5, 10 Hz | 2, 5, 10 Hz | 2, 5, 10 Hz | 2, 5, 10 Hz | 2, 5, 10 Hz |
<注目の製品> Gator Pro
Gator Proは、Gagor BLI解析システムの中で最もハイスループットな解析が可能なモデルです。
最大32チャンネルで、3枚の96ウェルプレートあるいは384ウェルプレートを1バッチで測定できます。
濃度定量解析では最大1152サンプルの自動測定が可能です。
エピトープビニングは32x32マトリクスのデータ取得を8時間未満で完了します。
Genedata Cloudの内部で使用することのできるGator Navigator ソフトウェア(オプション)を活用することで、ハイスループットなデータ解析を短時間で終わらせることが可能で、データ解析やデータ視覚化のフレキシビリティを上げることができます。
GxP対応
IQ/OQ バリデーション
GLP/GMP環境下で装置を使用したい方のために、IQ/OQバリデーションサービスを提供しております。バリデーション作業はGator Bio社の認可を受けたサービスエンジニアが行い、報告書を提出いたします。
FDA 21 CFR Part 11
Part 11などの電子データ規制に対応したオプションソフトウェアをご用意しております。アカウント管理、監査証跡、タイムスタンプなどに対応しております。詳細な対応項目についてはお問い合わせください。
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